leap

部屋を片づけられない義母との同居生活に 困っています。

釈量子・お悩みクオンタム

物を溜め込んでしまう義母

 Kさんは現在、定年後のご主人と義理のお母さまと3人暮らしをしていらっしゃるとのことで。

K はい。今日の悩みは、その義母のことなんです。今年88歳のお義母さんは今もとても元気なのですが、お掃除や片づけができない人で……。

 88歳というと、昭和5年生まれですね。空き家が問題になっていますが、「片づけ」も、昭和初期世代の親を持つ人たち共通の悩みです。私の母も「もったいない」が口ぐせで、戦時中の物不足の時代を生きた方は、なかなか物が捨てられないと言います。

K そうなんです。2年半前から義母の家で同居を始めたのですが、ゴミを捨てに行こうとしても「自分でやる」と溜め込んで、私や夫が片づけてもすぐに散らかしてしまうんです。

 お元気なのは何よりですが、一度身についた生活習慣を変えるのはなかなか難しいかもしれません。

K そうですよね。昭和初期のものが溜め込まれていたり、少し臭いもあったりして……。でもその環境が居心地がいいと言うんです。私がもっと広い心で見てあげないといけないのですが、そういう状態で生活するのはつらくて。

 衛生面などの生理的な感覚が一致しないと、一緒に生活するのはストレスになりますね。「部屋の乱れは心の乱れ」とも言いますが、お義母さまは心の面でも悩みを溜め込みやすいタイプですか?

K 思い当たるのは、「幼少期によくできたお姉さんとずっと比べられていた」と言っていたことでしょうか。コンプレックスがあるようで、「私があの人に〇〇をしてあげた」「ご飯をつくってあげたらみんながおいしいと言ってくれた」と、自分が周りにしてあげたことの話をよくするんです。それを聞いていると、小さいころに満たされない思いがあったのかなと。

 手元に物を置くと安心するのかもしれません。整理収納アドバイザーの友人がいるのですが、彼女のお母さまは旅先の箸袋から孫の落書きまで何でも取っておく「溜め込み型」で、あの手この手で改善を図ったものの、結局あきらめたと言っていました。プロの娘がつきっきりで〝断捨離〟しても、物がないと不安になってしまうため、リバウンドしてしまったんです。ご年齢を考えると、お母さまのお気持ちも大切にしていきたいですね。

 

片づけ力アップの秘訣

 処分には金銭的な負担もかかります。親が亡くなり、残された家族がトラック数台分の〝思い出の品〟を処分したところ百万円近くかかったという話も聞きます。プロは「自分で処分できないなら、家族にお金は残しておいてください」と指導するようです(笑)。お話を聞いて、Kさんは片づけが得意なタイプだろうと感じました。

K 確かに、父も母も家はきれいにしていましたね。

 やはりそうですか。片づけは、家庭環境や生き様、家族との人間関係など、いろんな問題を含んでいて奥が深いものです。片づけ上手のKさんから、「きれいな部屋で暮らすって、気持ちがいいんだな」と感じさせてあげられたら、お義母さまにとっても学びになりますね。そして「あの世には何も持っていけないけれども、心だけは持っていける」という来世の希望を伝えられたら、それが一番ですね。

K なるほど……。義母には「あの世は思いの世界だから、汚い部屋が居心地がいいと思っていると、死んだ後もそういうところに行ってしまうんだよ」という話はよくしているんです。

 ぜひ折に触れてそうした話もしてあげてください。私の場合は〝強制力〟を働かせ、定期的に友人に遊びに来てもらいます。「今度、〇〇さんが来るからきれいにしてね」とお願いをするといいかもしれません。私も今度、お邪魔させてください(笑)。

K (笑)それなら義母も意識してくれるかもしれません。今日はありがとうございました!

 
(2018年2月号「釈量子のお悩みクオンタムリープ」)

印刷する

釈量子 

幸福実現党党首

1969年11月10日、東京都小平市生まれ。國學院大學文学部史学科卒業後、大手家庭紙メーカー勤務を経て、1994年に宗教法人幸福の科学に入局。学生局長、青年局長、常務理事などを歴任。幸福実現党女性局長などを経て、2013年7月幸福実現党党首に就任。

公式サイト

連載