「私の子育て、これでいい?」――子育て中のママたちは、毎日が試行錯誤の連続です。そんなママたちに、大切な子育てのヒントをお届けします。
積木も勉強も、土台が大切
3月にエンゼルプランVを卒業した子供の多くは、4月になると「サクセス№1」(小1~高3を対象とした仏法真理塾)に通い始めます。そこで、東京本校の1年生に毎年行っている恒例の授業があります。
まず、先生が立方体の積木数十個を使って、建物の土台をふたつ作ります。ひとつは、積木を隙間なくていねいに並べて頑丈な土台を作ります。もう一方は、乱雑に並べて隙間だらけの土台を作ります。ここで、子供たちに質問します。「高い建物を建てたいとき、みんなはどちらの土台を使う?」すると一斉に「頑丈な方!」と答えます。「では、こちらのスキマだらけの土台の上に建物を建てたら、どうなると思う?」と聞くと、「くずれる!」「すぐ壊れる!」と言います。
「その通り。土台が弱いと、建物はすぐに壊れてしまう。勉強も同じです。まず頑丈な土台を作らなくてはなりません。みんながこれから習うたし算やひき算、かけ算、わり算は、勉強の土台です。本を読んだり漢字を書いたりするのも土台作りです。頑丈な土台を作るためには、よくわからないことを放っておかないで、できるまでやってみることが大切。最初は難しくても同じことを繰り返し勉強したら、すらすらできるようになる。次にはもう少し難しい勉強ができるようになる。そうやって頑張り続けたら、ほんとうに賢く立派な人になっていけるんだよ」
低学年の勉強では、基礎の反復・定着・習熟が大切です。これには一定の時間がかかります。ひき算を繰り返しやっているうちにたし算を習熟し、かけ算をやっているうちにたし算ひき算を、わり算をやっているうちに四則演算全部を習熟していきます。お父さんお母さんは、焦らず土台作りの手助けをしてあげましょう。それが、高学年の応用発展の勉強を容易にします。
「学習力」の高い子の習慣
「耳だけ貸して」なんていう器用なことができるのは大人だけ。子供は、先生の話を聞くとき、注目して意識を向けて聞かなければ理解できません。昨年ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんは、小学校入学時、お父さんから「先生から目をそらしてはいけないよ」と教わり、その通り素直に実行し、非常に勉強のできる子になりました。
先生の目を見て話を聞くという姿勢を持っている子とそうでない子では、月日が経過するほどに「学習力」に差が生じます。これは人間形成においても大切なことなので、どうか各ご家庭で、お子さんに教えてあげてください。
間違えても、まずほめる!
「また間違えたの?」「こんなのもできないの?」は、子供をくじけさせる【ダメージワード】です。たとえ答えが間違っていても、まずほめる。
「もうできたの? よく頑張ったわねー。あ、惜しい! ちょっとだけ間違ったかも。(ここでニッコリ)もう一回落ち着いてやってごらん。できたできた! スゴーイ! お母さんの子供のころよりずっと賢い! 天才!」
人間はうれしい記憶を反芻するものなので、ほめられると、知らず知らずのうちに頭の中で勉強の復習をすることになります。効果抜群ですよ。
①低学年は勉強の土台作り
②先生の目を見て話を聞くこと
③ほめて育てる
(2016年6月号「子育て110番」)
奥田敬子
早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。