パリ五輪の演出に見る歪んだ人権思想
この夏、パリ五輪の開会式が物議を醸しました。フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットが生首を持って歌う演出に加え、ドラァグクイーンを「最後の晩餐」を描いた絵画を想起させる構図で登場させるなど、キリスト教への冒涜だとする批判の声が噴出。芸術監督を務めたトマ・ジョリ氏は、演出の狙いは「我々の共和国の価値観『自由、平等、友愛』を確認すること」としていますが、芸術の名のもとに〝神への反抗〟を表現する現代を、神はどう見ておられるのかと考えてしまいます。
近代の人権思想は、アメリカ独立宣言とフランス人権宣言から生まれたとされますが、両者には大きな違いがあります。
アメリカ独立宣言は、「すべての人間は生まれながらにして平等であり、それは創造主によって与えられた権利である」と述べており、そこには神が存在します。
一方、「フランス人権宣言」では、中世の教会的価値観に閉じ込められた人間を解放するための啓蒙思想が説かれ、「神」の代わりに「理性」を立てました。戦後の日本も、フランス型の「神」を語らない人権の影響を色濃く受けています。…(つづく)
本誌では続きが読めます。
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