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本当の子育て支援とは?「おためごかし」の少子化対策〔幸福実現党党首 釈量子のキッチン政経塾〕

少子化対策名目のバラマキ

年初に訪れた静岡県の集会で芥川龍之介の小説『杜子春』が話題になりました。主人公の杜子春が、仙人修行の過程で地獄に堕ちます。師匠の仙人からは「何があっても口をきいてはならない」と戒めを課せられているので、閻魔大王に対しても固く口を閉ざしていたのですが、目の前に畜生道に堕ちた杜子春の両親が引っ立てられてきます。馬の姿となった父母が激しく打ち据えられる様子に、思わず駆け寄って「お母さん」と声を上げてしまう。しかし、その一言が、地獄から脱する言葉だった……というお話です。戦前の旧制中学校ではこうした仏教的色彩の強い『杜子春』『蜘蛛の糸』は、定番の教材でした。ところが戦後になると、同じ芥川の作品でも『羅生門』に取って代わられます。ある教科書会社は、「自分だけが助かろうとするエゴイズムを否定しているのが『蜘蛛の糸』であり、他者を踏み台にしてでも生き延びようとするエゴイズムを容認するのが『羅生門』。戦前と戦後で正反対の行動原理を要請しているように見える」と論じており、興味深いものがあります。その「エゴイズム」が反映されているように見えるのが昨今の少子化対策です。…

本誌では上記の続きと、下記の記事をお読みいただけます
▶子育て支援は少子化対策に逆効果?
▶「与える愛」の政治へ

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