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中学生の娘が学校で人間関係のトラブルを抱えているようです。

中学校に進学した次女は、最近「学校に行くのがしんどい」と漏らすようにな
りました。原因は、同級生の女の子たちとの人間関係にあるようです。中学
生という難しい時期にある娘に、どのように声をかけてあげたらよいでしょうか。
アドバイスをお願いします。
大学1 年生の女の子と中学1 年生の女の子のママ(40 代)

思春期の葛藤の多くは
人間関係の悩み
 心身ともに大きな変化を迎える
思春期には、自然と心の悩みが多
くなってきます。その真っただ中
にある中学生の子供たちを見てい
ると、彼らの悩みの大半は「人間関
係」にあるように思います。子供
にとっては、クラスや部活などの数
十人の範囲が自分の世界のすべて
ですから、友達関係が崩れると、「学
校に行きたくない」と深刻になっ
てしまう気持ちも理解できます。
今回のお悩みに対するお答えと
しては、もし、お子様にも多少の非
があってトラブルが起きているな
ら、背中を押してあげ、勇気を出し
て謝ることを勧めてあげてくださ
い。小さい問題なら、たいていは謝
罪で収まります。単純に相手を誤
解していたり、誤解されたりする
ことが原因だからです。
 しかし、単なるトラブルではなく、
いじめのような問題に発展してし
まっているのであれば、お母さんから学校の先生にすぐに相談して
ください。長くこじれると、修復
が困難になることもあるからです。
長続きする友情を育むには
自立が大切
友情には、「長続きする友情」と、
「壊れやすい友情」がありますが、
良い友情は、自立した子同士が付
き合うときに成立しやすいと言わ
れます。べたべたした関係が友情
だと思うかもしれませんが、あま
りに密着しすぎる関係は、良いと
きもありますが、ケンカ別れにな
ることも少なくありません。
 当校の生徒たちを見ていても感
じますが、特に女子は、「べったり
関係」が好きですね。しかし、「一
方が他方を全面的に援助しなけれ
ばならない関係」や「欲得がからん
だ関係」は壊れやすく、本物の友情
を育んでいくには、一人ひとりの
自立が大切です。
具体的には、娘さん自身が自分
の交友関係を振り返り、「一緒にい
て、良い影響を与え合う友情だったら関係を続け、グループにいて
もお互いを高め合えないなと思う
なら、無理して付き合うことはし
ない」と割り切ることも大事です。
最初はつらいですが、そのうち、心
通う友達が現れるでしょう。
人間関係の学びを深める
機会だととらえよう
今回は、親子で人間関係を学ぶ
良い機会かもしれません。お母さ
んとしては「完璧で、正しい答えを
出さないといけない」と身構える
よりも、ご自身の経験もあわせて、
率直に話してみましょう。
社会に出れば、もっと複雑な人間
関係を体験しますが、その中で「仕
事ができる人」は、みんな良い人間
関係を構築することに長けていま
す。これは学校の教科書では学べ
ず、人生経験を通してつかんでい
くものです。
この機会に、本物の友情の築き
方を学べば、卒業しても一生付き
合えるような親友ができるかもし
れませんね。もう大丈夫!!

 
(「Are You Happy?」2020年1月号)

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