50歳でモデルから美容家・美肌研究家へと活動の幅を広げた白川みきさん。「20代の肌年齢を持つ50代」として、美容セミナーからヘアアクセサリーブランドや美肌アイテムのプロデュースまでさまざまな活躍を続ける白川さんに、年齢を感じさせない魅力の秘密について伺いました。【2017年3月号掲載】
アラフォーからは“7割美容”で美しく
〝20代の肌年齢を持つ50代〟として今注目を集めている美肌研究家・白川みきさん。自分の個性を魅力に変え、何歳になっても“かわいい”を愛するスタイルは、幅広い世代の女性から支持を集めています。白川さんが実践している「年齢に応じた美容法」とは?
「若いころはたっぷりファンデーションを塗ったり、パールやラメ入りの化粧品を使っても、ハリのある肌が綺麗に光を反射してくれますが、アラフォー世代以上になると、シワやたるみでどうしてもデコボコしてしまいます。ファンデーションを厚く塗ると、肌の色が悪く見えてしまうので、素肌感を意識したナチュラルメイクに変えたほうが若々しく見えるんです。〝もう少しお化粧したほうがいいかな?”と思うくらいの“7割”で止めておくこと。それが私の提唱している“7割美容”です。
7割に抑えなくていいのは、唯一〝毛”だけです。年々細くなる髪の毛や眉毛、まつ毛は盛れるだけ盛ってボリュームを出しましょう。
7割で抑えるという考え方は、食事も同じです。いくらおいしいものでも、お腹いっぱいになるまで食べると体にも悪いですし、『もうしばらく食べたくない』と思ってしまうこともありますよね。7割くらいの満足感で止めておいて、『また食べたいな』と思えるほうが楽しい食事になります。食べたいだけ食べるのではなく、自分をコントロールすることが健康のためにもベストだと思います」
年齢を公開したのは最初の著書を出版した2015年。30代のころは仕事の都合で年齢を6歳若く公表していたそうです。
「モデルをしていたころは『若く見えるように』と年齢にこだわっていたのですが、今は若さや年齢には執着していません。シワやシミの一つひとつを気にしていたらきりがないですし、『若く見えること』に執着していると、“美しさ”が変わってしまうと思うのです。今の私の髪型や洋服は若く見せるためではなく、自分が心地よくハッピーでいるためのスタイルです。
私の目標は、人造的な『綺麗』や『かわいい』ではなく、“幸せ顔”。形だけの美に執着していると心も疲れてしまうし、鏡を見るたびにため息が出てしまいますから。それよりも雰囲気や内面から出る美しさを大切にしたいと思っています」
コンプレックスは魅力に変えられる
そんな白川さんも、若いころは外見的なコンプレックスに悩むこともあったとか。コンプレックスを魅力に変えるための秘訣について伺いました。
「若いころから顔のエラがコンプレックスで、なるべく髪で輪郭を隠すようにしていました。でも隠すことで、逆に『ここが弱点です』と際立たせていることに気づいたのです。髪が顔にかかることで暗い印象にもなってしまいますし、今では髪の毛は必ずアップかハーフアップにしています。コンプレックスだったエラをあえて見せることで、顎がすっきりとシャープに見えるようになりました。
外見のコンプレックスも、見せ方ひとつで魅力に変えることができます。たとえば、足を隠そうとしてダボッとした服を着てしまうと余計に太って見えますよね。それよりも、ワンピースやスカートで足を出してみてください。『人に見られる』と考えるようになり、自分の行動や立ち居振る舞い、見せ方をより意識できるようになります。
コンプレックスを魅力に変えるためには、自分をよく観察することが不可欠です。鏡をよく見て研究すると、意外と欠点だと思っていた部分がチャームポイントに変わったりするんです。鏡をたくさん見て、自分が人にどう見られているかを知る。そしてより魅力的な見え方を研究していくこと。それがコンプレックスを魅力に変える第一歩です」
自分を愛することが魅力につながる
「見た目だけでなく、内面の魅力を大切にしたい」という白川さん。普段心がけていることは?
「『ラッキー!』とか『幸せ』とか『大好き』といったポジティブな言葉をたくさん使うことです。良い言葉を口に出していると自分自身も明るくなれるし、周りの人も楽しくすることができますよね。逆に『もう〇歳だから』や『疲れた』など、気持ちも顔も暗くなってしまうようなネガティブな言葉は絶対に使いません。
私も気分が落ち込むことはありますが、そういうときは普段よりしっかりとお肌のお手入れをします。美容院やネイルサロンなど、人に肌を触れてもらうと心地よい気分になれる方は多いですよね。でもいつも誰かに触れてもらえるわけではありません。そういうときは自分でお肌に触って念入りにお手入れをすると、心まで穏やかになれるんですよ。
心と顔は本当によくつながっていると思います。口角を上げて笑顔でいると、ネガティブな言葉は言えませんし、悪口を言っているときは、“不幸せ顔”になっています。つい人と自分を比べて嫉妬したり悪口を言ってしまう人もいるかもしれませんが、そういう方には『人と自分を比べても意味がないですよ』と伝えたいです。自分と他人では出発点が違いますし、これまでの努力の過程も違います。他人と比べるのではなく、過去の自分と比べたほうが幸せになれると思います。
私は毎年1月1日に1年の目標を書いています。あまり突拍子もないものではなく、『今年1年、頑張ればできそうだな』という目標を、思いつく限り書き出すのです。ときどき目標を見直して、叶ったものにチェックしていくたびに、自分の成長が少しずつ実感できてうれしい気持ちになれます。『またできることが増えた』『去年よりも成長している』と小さな目標を積み重ねていけば、過去の自分が考えもしなかった大きな夢が叶えられるのではないでしょうか。
『自分のことが好きになれない』という女性も多いと思いますが、まずはひとつでもいいので続けられる習慣や目標を見つけてみてください。目標を達成していくことで生まれる小さな自信。それを積み重ねていくことで、自分自身が好きになれるはずです。自分のことを愛せない人は他人のことも愛せませんし、自分を愛する気持ちが、見た目の魅力にもつながっていくのだと思います」
〝かわいらしさ”は内面の魅力から
「日本中にかわいい女性を増やしたい」という白川さんに、活動の根底にある思いや今後の展望について伺いました。
「『せっかく女の子に生まれたんだから、みんなかわいく、ハッピーになってほしい』というのが私の思いです。2013年には、大人のための〝おリボン”ファッションを広める『日本おリボン党』を立ち上げました。30~40代の方々がメインで活動していますが、『〇歳になったから、もうリボンはつけられないと思っていました』といっていた女性が、どんどん明るく綺麗になっていくのは、見ていて本当にうれしいです。
日本ではよく『〇歳からはもうおばさん』なんて言いますけど、年齢なんてただの記号だと思っています。『若さ=かわいらしさ』ではなくて、〝かわいらしさ”というものは、その人自身の努力や生き方によって生まれるもの。見た目の若さや美しさだけを求めるよりも、内面の優しさやピュアさを大切にしている女性のほうが、ずっと魅力的だと思います。『年齢なんて関係ない』と思う女性が増えれば、社会全体の考え方も変わってくるのではないでしょうか。
これからも、そういう魅力的な女性を増やしていくために大人かわいいものをプロデュースしたり、自分が良いと思った情報を皆さんに発信していきたいと思っています」
(「Are You Happy?」2017年3月号)
『いくつになっても女は可愛くなくちゃ!私らしい「個性」と「魅力」のつくり方』
白川みき 著/三笠書房 ¥680
『美人は薬指からつくられる』
白川みき 著/アスコム ¥1,404
Column
女の子がわくわくするようなアイテムをつくりたい
「ヘアアクセサリーやコスメ、お洋服のプロデュースも行っています。昨年11月に発売した『白い生せっけん』は、私の“牛乳洗顔”の習慣から生まれました。ミルクの美肌成分をいいところ取りした、とても肌に優しい石けんなんですよ。人気のカチューシャは、『40代以上の大人がつけても幼くならないリボンがほしい』と思ったことがきっかけで製品化しました。使うだけで元気になったり、わくわくするようなアイテムをつくるようにしています」(白川さん)
(左)「白い生せっけん」¥3,456は、体にも使えるたっぷりの容量。(右)“大人かわいい”カチューシャは、リピーターが続出する人気アイテム。
問miki.proidea.pro (楽天市場などで購入可能)
1962年、名古屋生まれ。20代からモデルとして活動。その後美肌研究家として活躍の場を広げ、美容についての情報をブログやWEB、雑誌などで発信している。JAMアンチエイジングアドバイザー資格を取得。見た目年齢が若くなる「愛され美肌」セミナーを開催し、20代~60代の幅広い女性の支持を集めている。リボンやカメリアをモチーフにしたヘアアクセサリーブランドや、UVケアのためのアイテムなどのプロデュースのほか、2013年4月には大人の「おリボン」ファッションを広めるため「日本おリボン党」を立ち上げ、党首を務める。著書に『美人は薬指からつくられる』(アスコム)、『いくつになっても女は可愛くなくちゃ! 私らしい「個性」と「魅力」のつくり方』(三笠書房)、『あなたを変える「薬指」スキンケア』(宝島社)。
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