念いが病を作ります。“心の調律”で未然に防ぐにはー【ストレス、ウツ、不眠症、過敏性腸症候群、ガンなど】

医療の現場で日々多くの患者に接し、体のみならず心の面からも診療にあたる舘有紀先生。自身もガンを患い、治療と心の力によって克服した経験を持つ舘先生に、病気にならないための心の管理術について伺いました。

頑張りすぎが引き起こす心と体の“歪み”

日々、患者さんの診察をしていると、みなさん心のSOSに気付かず、無理をしすぎていることが多いなと感じます。「もっと頑張らなくちゃ」とひたすら走り続け、いつの間にか休息を取ることに対して罪悪感を覚え、立ち止まれなくなってしまうのです。
しかし、その状況で生きていくことは難しく、心や体に“歪み”が生じてきます。すると病気という形で体に現れ、「立ち止まる機会」を与えられるのです。
頑張りの根本にあったものを考えるために、自分の心を振り返っていくと、焦りや自信のなさ、不安など、さまざまな“心の不足”が見えてくるでしょう。
最近話題になった女性芸能人たちの病気も、職業柄「人気を落とせない」といった焦りなどから、つい頑張りすぎてしまったことが原因なのではないかと思います。

 

病気の本当の原因は?

過度のストレスがかかり精神的に追い詰められると、人はウツや不安神経症などの形で「メンタル面」に症状が強く出る方と、「肉体面」に症状が強く出る方の、どちらかのパターンに分かれることが多いようです。メンタル面に症状が出た方は、無理をしていることに自分で気付き、ペースダウンすることができますが、メンタルが強い方は、自分が無理をしていると気付かず、体に症状が出てしまうことが多いのです。
体の不調を訴えて来院される患者さんも、診察しながら話を聞いていくと、「病気の本当の原因は心にあった」と分かることがよくあります。
例えば、不眠症を訴えて来院した女性は、「ご主人との夫婦仲が悪く、離婚問題を抱えていた」、過敏性腸症候群を訴え、不登校になってしまった高校生の少女は、「本当はいじめで悩んでいた」というように、心と体は密接につながっています。
離婚問題で悩んでいる方には弁護士さんをご紹介し、いじめで悩んでいる少女には、知り合いの教育関係の方を紹介したところ、具体的に問題が解決し、病状が回復して元気になられました。

 

ガンは念いによって作られる

私も心と体の密接なつながりを感じた経験があります。今から10年以上前、30歳を過ぎたころに、口腔ガンを発症しました。「自分はガンになるはずがない」と思っていたため、とてもショックでしたが、そこで一度立ち止まり、なぜ自分がガンになったのか、原因を徹底的に考えました。
当時、「人が喜んでくれるから」という思いから、セミナー講師として全国を飛び回る生活を送っていました。しかし、心を見つめていくと、本当の自分は内向的な性格で、人前で話すことが大の苦手だったということに気付いたのです。「人前で話したくない」という潜在意識が、口腔ガンの原因だと納得しました。
実は3年前にも再発したのですが、そのときには別の理由が原因でした。姉が大腸ガンにかかったと聞き、思わず「代わってあげたい」と思った2日後に、私のガンの再発が判明してしまったのです。現在、ガンは克服していますが、“念いによって病が作られる”ということを身をもって経験しました。

 

心の調律”で病を防ぐ

患者さんの体験や私の体験から言えるのは、“心の調律”によって、感情のブレを調えることが大切だということ。「病は気から」という言葉があるように、怒りや嫉妬、愚痴、不平不満、不安など、負の感情を心の中に持ち続けると病気を引き寄せてしまいます。そうならないために、毎日自分の心をチェックし、感情を整理して心をすっきりと晴れやかな状態にしましょう。それが、病気を未然に予防するコツです。
病気になる前の私は、完璧主義で人にも自分にも厳しい性格でした。けれど、病気を機に性格を変える決意をし、何年もかけて努力して“8割主義”をめざしました。すると、人にも優しくできるようになり、同僚や患者さんとの間に円滑な関係が築かれていき、精神的にとても楽になりました。

 

「人のために生きる」という決意に奇跡が臨む

「病気」と聞くとネガティブに捉えられがちで、実際に自分が病気になると、暗くなってしまう方が多いと思います。
しかし、病気は必ずしも不幸なことではありません。それは、神様が与えてくれた“自分の魂をさらに成長させるためのチャンス”だと思います。これまでの人生や自分の性格の傾向性について振り返り、自分を見つめるためのいい機会なのです。
人は病気になると、自分のことしか見えなくなりがちです。けれど、自分が大変なときだからこそ、“周囲への感謝”を持ち、「何かできることはないか」と考え方を転換して「人のために生きよう」と決意することが大切ではないでしょうか。
人間には“天寿”というものもありますから、病気が原因であの世に旅立つということもあります。しかし、たとえ病が治らなかったとしても、自分が病気のときに本気で人のために生きようとする姿は美しく、幸福で素晴らしい人生だといえるでしょう。
人のために生きると決意すること――逆説的ですが、その心境が“ヒーリング・パワー”という奇跡を引いてくる最大の秘訣なのだと思います。

 

ヒーリングDr.舘先生が教える! 病気を治すためのコツ

①自分を支えてくれる方々への感謝の気持ちを持つ

病気のときは“自分中心”に物事を考えがち。自分を支えてくれる家族や友人、病気を治すために力を尽くしてくれる医療者など、周囲の人々に対して「感謝」の気持ちを忘れないことが大事です。

②西洋医学を否定しない

自己判断で通院や治療を中断する方もいらっしゃいますが、化学療法を使えば治る病気もたくさんあります。西洋医学を否定せず、「現代の医学」と「心」の両面での改善をめざしましょう。

③病気だからといって、人に依存しすぎない

「病気だから周囲の人が自分のために動いてくれて当然」と思い、強く精神的に依存してしまうと、周囲の人が重荷に耐えかねて去り、孤独になってしまうことがあります。“自分でできることは自分でやる”精神を大切に。

④“怒り”の感情を鎮める

「病気になった」と分かった時点で、“怒り”の感情が出てくることがあります。その怒りのはけ口を周囲の人に向けるのではなく、病気になった意味を考えてみましょう。怒りの感情を抱き続けるのは、心身の健康にも悪影響です。早急にコントロールしましょう。

⑤愚痴・不平・不満を言わない

病気を治したいと思うなら、積極的で明るい気持ちを持つことが大切です。そのためにも「愚痴は言わない」と強く心に誓いましょう。

⑥病気によって“自分を守っている”ということに気付く

人生がうまくいかないとき、家族に構ってほしいとき、責任ある立場から逃れたくて“無意識に”病気を作り出します。病気を手放すためには、「病気になることで自分を守っている」ことに気付くことです。

(「Are You Happy?」2015年12月号)

1968年、福井県生まれ。1994年、自治医科大学卒業。福井県立病院などでの勤務を経て、現在、茨城県の石岡第一病院で総合医として、体のみならず心 にも目を向けた医療を実践。医師として活躍する傍ら、医療現場での体験をもとにした小説やエッセイを精力的に執筆。1999年、『木漏れ日』で「らいらっ く文学賞」(朝日新聞北海道支社主催)を、『赦しの庭』で「日本海文学大賞」(中日新聞北陸本社主催)を受賞。著書に『あなたの心を守りたい ―女性医師が現場でつかんだ心の危機管理術』(幸福の科学出版)がある。

タイトル

『あなたの心を守りたい』―女性医師が現場でつかんだ心の危機管理術

『あなたの心を守りたい』―女性医師が現場でつかんだ心の危機管理術

女医・舘有紀先生が医療の現場や自身の病気克服体験からつかんだ“心の管理術”を綴った一冊。仕事や人間関係で心がすり減ってしまったあなたに贈る6つの処方箋。