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パンツスタイルを美しく

なぜ日本人女性にパンツスタイルが少ないのか

日本の女性は、フランス人女性に比べてパンツをはくことが少ないのはなぜかと不思議に思っていました。その謎が解けたのは、パリを訪れたときです。パリで、シャネルのデザインルームのスタッフを紹介されました。女性用パンツを世に広めたのはシャネルです。戦時中に男性用のロングパンツで作業していた女性たちのために、シャネルは女性用のパンツをデザインしました。今でもシャネルはパンツを美しく見せることに関して群を抜いています。シャネルのスタッフからこんな話を聞きました。

「日本から来たオートクチュールのお客様方にパンツを作ったときは大変でした。日本人の足の長さとお尻の位置が、パンツに不向きなのです。けれど、デザイン次第でどうにかなります。時間のある人には何度も仮縫いをしてパンツを作りました」

時間のない日本人の客には、きれいなラインが出るスカートを勧めたそうです。日本人女性にパンツスタイルが少ないのは、体型のせいでパンツスタイルを美しく見せるのが難しいからだと合点がいきました。

パンツの下からスタイルを整える

シャネルのスタッフの話のように、日本人女性もパンツをはくときに、ひと工夫することできれいなラインを作ることができます。そこで、多くの女優たちが実践しているパンツのはきこなし方を紹介します。
パンツが似合う女優に、杏さん、吉瀬美智子さん、米倉涼子さんらがいますが、皆足が長く、お尻の位置が高い人たちです。お尻の位置が高いとパンツが美しく映えます。足の長さは変えられませんが、ヒップパットを使って、お尻の位置を高く見せ、足を長く見せましょう。
ヒップパットはネット通販でも手に入るようになりましたが、以前から女優たちは着物用の帯枕のようなヒップパットを自作していました。

ヒップパットの作り方

帯枕のようなふくらみのあるパットを、手芸用のスポンジで作ります。お尻の上に乗るように、形を合わせてハサミでカット。小さくなりすぎないように気をつけましょう。ガーゼなどで袋を作り中に詰め、腰紐を付け帯枕のようにして完成です。それをお尻の上に乗せると脚が5〜6センチは長く見えます。
パットを付けたときは、少し頑張って高めのヒールを履き、全身の流れを作ってみましょう。
一度使うと、スタイル良く仕上がるため、手放せなくなるようで、女優だけでなく男優たちも愛用しています。ヒップパットはタイトスカートのときにもおすすめです。

パンツスタイルを美しく見せるには

パンツを美しくはきこなすには姿勢も大切です。自分が好きな格好良く見えるスタイルを見つけ、体に覚えさせます。まず、姿勢が悪くなりやすい階段での歩き方をきれいにできるようにしましょう。体の軸がぶれないように、階段の上り下りを練習します。それがきれいにできるようになると、平面でも美しく歩けるようになります。背筋を伸ばし、少し大股気味、肩幅ほどの歩幅で歩くと格好良いです。
椅子に座ったときの姿勢も、鏡の前で練習しましょう。膝頭を揃え、足を流す方向、靴のずらし具合を決めます。
「椅子から立ち上がるときに少しウエストラインを持ち上げたり、お尻に寄ったしわを伸ばしたりして立ち上がるのはグッドです」
そう教えてくれたのは、シャネルの美容部長をされていたフランソワーズ・モレシャンさんです。フランス人は子供のころから、座るときに膝頭をつけることをしつけられるそうです。
「下着の線は絶対出さないこと。どんなに美しくても落第です」
できることから始めましょう。

秋はおしゃれが楽しい季節です© K’s color atelier

今月のレッスン
パンツをはいて椅子に座ったら、膝頭を揃える。

(「Are You Happy?」2023年11月号)

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岡野宏 

1940年、東京都生まれ。テレビ白黒時代よりNHKアート美粧部に在籍。40年以上にわたり、国内外の俳優だけでなく歴代総理、経営者、文化人まで、延べ10万人のメークやイメージづくりを行う。“「顔」はその人を表す名刺であり、また顔とは頭からつま先までである”という考えのもとに行うイメージづくりには定評がある。NHK大河ドラマ、紅白歌合戦等のチーフディレクターを務め、2000年にNHK退所後は、キャスターや政治家、企業向けにイメージアップの研修や講演活動などを国内外で行っている。著書に『一流の顔』(幻冬舎)、『渡る世間は顔しだい』(幻冬舎)、『トップ1%のプロフェッショナルが実践する「見た目」の流儀』(ダイヤモンド社)、『心をつかむ顔力』(PHP研究所)等。

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