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ひとつ、自信のあるものを

肌が美しいと自信が持てる

オシャレに自信をつけるには、全体をUPさせるより、まず、これだけは大丈夫と思うものを作ります。とくに肌がきれいになると、他人から見ても分かるほど自信がつくものです。

アジア音楽祭で韓国に行ったとき、K-POPのアーティストたちは皆、自分の肌色に調合してもらったファンデーションを持っていました。男性もそれは同じで、「日本では、どこでファンデーションが手に入る?」など、ずいぶん肌に関する質問を受けました。

以前から私は「顔はあなたの名刺です」と言ってきました。できるだけ、きれいな状態の名刺を相手に渡したい、と願うことに男女の差はありません。シミやしわ取りが、男性ビジネスマンに人気だと聞きますが、自信を持って名刺を渡したい気持ちを思えば、それはとても自然なことです。

ひとつ得意な形を持てば良い

肌を整えたら、また新しいパーツと自信の持てる部分を増やします。傷んでいないツヤのある髪だとか、カールが美しいまつ毛とかでも良いでしょう。

眉がきれいに描けることも自信につながります。

「あの眉が完成しなかったら女優ソフィア・ローレンは誕生しなかっただろう」

と言ったのは、彼女のマネージャー兼ご主人でした。ソフィア・ローレンの超個性的な顔を牛耳っているのは眉です。針のように尖ったペンシルで一本ずつ生えているかのように描き込みます。ソフィア・ローレンの描いた眉には出来不出来があり、上手くいったときは、映画「ひまわり」の女性のように大胆でおおらかな顔を見せます。思うよ
うに描けないときは、取材の質問など頭に入らず、別人のように暗い顔になっていました。

幾通りの眉形が描けるかより、ひとつきれいな形をマスターしてください。口紅も同様です。

自分の内面を探してみる

容姿に自信がない人は、自分の得意なことに目を向けてください。自信をつけるための種は、いくらでも自分の中にあります。

ラジオの収録のためにスタジオに入ると、7、8人のスタッフが脱ぎっぱなしにした靴を、阿川佐和子さんが履きやすいよう並べ替えていました。そのとき阿川さんが私を見上げ、「ねぇ」と相づちをよこしました。(しょうがないわね、この子らは)の「ねぇ」です。その仕草は、私の中で、もともと美人と記憶されていた彼女を〝超〞のつく美人に変えたのでした。やってあげているという仕草がなく、きっぷの良い母親が息子どもの後片付けをしているように相づちをよこしたことに、心が動かされたのです。

自信のある魅力的な人の印象は顔の作りだけにとどまらず、頭や人柄の良さ、その人の経験などが作り上げます。スポーツが得意な人なら仕草や姿勢を、優しい心根の人なら穏やかな話し方を磨き上げるのも良いでしょう。ちょっとした自信が呼び水となり、あなたの魅力は増し始めます。まず、ひとつ自信のあるものを作ってください。

じっくり 観察してみましょう© K’s color atelier

今月のレッスン
自信の持てるパーツに磨きをかけましょう。

 (「Are You Happy?」2023年3月号)

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岡野宏 

1940年、東京都生まれ。テレビ白黒時代よりNHKアート美粧部に在籍。40年以上にわたり、国内外の俳優だけでなく歴代総理、経営者、文化人まで、延べ10万人のメークやイメージづくりを行う。“「顔」はその人を表す名刺であり、また顔とは頭からつま先までである”という考えのもとに行うイメージづくりには定評がある。NHK大河ドラマ、紅白歌合戦等のチーフディレクターを務め、2000年にNHK退所後は、キャスターや政治家、企業向けにイメージアップの研修や講演活動などを国内外で行っている。著書に『一流の顔』(幻冬舎)、『渡る世間は顔しだい』(幻冬舎)、『トップ1%のプロフェッショナルが実践する「見た目」の流儀』(ダイヤモンド社)、『心をつかむ顔力』(PHP研究所)等。

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