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夏バテ

<こんな症状があったら夏バテかも>

□体がだるい
□食欲がない
□下痢または便秘ぎみ
□体が熱っぽい
□ めまいや頭痛がする
□イライラする

高温多湿な日本の夏。今年も暑い日が続きましたね。夏の終わりを迎えるころになると増えるのが「夏バテ」です。全身の倦怠感・疲労感、食欲不振、下痢または便秘、むくみ、体が熱っぽい、めまい、頭痛、イライラなど、その症状は多岐にわたります。

東洋医学では、これらの症状は「気虚(ききょ)」とされており、夏バテによって一番ダメージを受けるのは胃腸だと考えられています。夏バテに負けない健康な胃腸を保つためには、冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎないことが大切です。内臓が冷えると胃腸の働きが悪くなってしまいますよ。
また、室内と室外の温度差が5度以上あると、自律神経のバランスが崩れて夏バテしやすくなるので、部屋を冷やしすぎないよう、エアコンの温度設定にも気をつけましょう。

食事では、ストレス解消や免疫力アップ効果のあるビタミンCを含むピーマンやキウイ、疲労回復作用のあるビタミンB1を含む豚肉や胚芽米、細胞を再生するビタミンB2が含まれる卵、納豆、うなぎなどの食材を使ったメニューがおすすめです。レモンや梅干しにも疲労回復効果があります。

漢方では、汗を止める「五味子(ごみし)」、体を潤す「麦門冬(ばくもんどう)」、熱を冷やす「黄檗(おうばく)」などが入っている清暑益気湯(せいしょえっきとう)を飲んでおくと、夏バテの予防につながります。弱った胃腸の改善には、六君子湯(りっくんしとう)を。食欲不振や体力低下、倦怠感改善のほか、抗うつ効果もある漢方です。

疲れも食欲も回復!夏バテに効くツボ

足三里(あしさんり)

膝のお皿の外側にあるくぼみから指4本分下にあるツボで、足の疲れはもちろん、消化不良の改善や疲労回復に効きます。松尾芭蕉も長旅の疲れを取るために、この足三里にお灸をすえていたそうですよ。

親指を重ねるように押しましょう!

湧泉(ゆうせん)

指をグーに折り曲げたときに、足裏に「人」の字のようにへこむ部分の中央にある、元気回復の特効ツボです。強く押しすぎず、ゆっくり圧をかけるように押して5秒キープしましょう。

ゴルフボールで刺激しても◎

簡単! 夏バテ解消レシピ豚肉とピーマンのふわふわ卵炒め

【材料】(2~3人分)
卵…3個
豚肉…100g
ピーマン…3個
玉ねぎ…1/4個

【作り方】
1.塩・コショウで下味をつけた卵をふんわり炒め、お皿に取り出しておく。
2.一口大に切った豚肉を炒め、火が通ったらピーマン、玉ねぎを入れてさらに炒める。野菜に火が通ったら塩、酒少々を振り入れる。
3.オイスターソースとごま油で味をつけ、最後に卵を戻し入れてひと混ぜしたら完成。

おすすめ漢方薬

暑さによる食欲不振、倦怠感、下痢などの症状があるときに 清暑益気湯(せいしょえっきとう)

胃腸が弱って食欲がない、胃もたれ、疲れやすいときに 六君子湯(りっくんしとう)

(「Are You Happy?」2021年10月号)

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小林城治 

精神科・心療内科医

医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。

高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。

書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。

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