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におい対策は口臭から

においの気になる季節

湿度が高まる季節を迎えると、気になるのがにおいです。通常より強く、重く感じられます。
長期間にわたるマスク着用のため、におい対策が手抜きになっていませんか。マスクを外す機会が増えた今、一度見直してみましょう。

気になる口のにおい

劇場や地下鉄、会議室など人が集う場所では、体臭や香水といった多種のにおいが混じり合います。そこへ食べ物のにおいが加わると、嫌な気分になるものです。とある出版記念パーティーに樹木希林さんと訪れたときが、まさにそのような状況でした。200人ほど人が集うと様々なにおいが絡み合い、鼻をつきます。
「せめて私ぐらい香りがなくってもいいでしょ。その代わりにこれ」
希林さんがレモン味のブレスケアーを手渡してくれました。
「あなたもどうぞ」
その日は、バイオリン中心のカルテットが入っており、ざわめきの中、顔を付き合わせて歓談する場面が頻繁に起こっていました。
「こういうときは、口臭の方が気になるのよね。香水じゃ消せないでしょ」

覚えておきたい口臭対策

「他人の体のにおいで一番強く感じるのは口臭です」
医師で作家の北杜夫さんいわく、体臭を100とすると、そのうち25%は口臭で、それ以外の75%は体全体から出るにおいだそうです。
「人に会うときは香りをつけるより、まず歯を磨きましょう」
北さんは、外出先での対策に持ち歩いているタブレットとマウスウォッシュを見せてくれました。歯間につまった食べ物の残りかすは嫌なにおいを発します。
マウスウォッシュがなくても、水で20秒ほど口をすすげば、においは半減するそうです。
外出先で口臭が気になったときの応急処置として、舌を上下左右にクルクル回すと、唾液が出てにおいを抑えてくれます。
その後、チョコレートを口に入れれば、ポリフェノールが臭みを包み込む役目をして和らげます。
帝国ホテルの村上信夫コック長も口臭対策にと、チョコレートひとかけを召し上がっていました。

増えた「香る商品」

ところで、口臭の次に気になるのが頭部のにおいと言われています。香りは上に立ち上る性質があり、仕事柄、人の背後に立つ作業が多く、男性より女性のにおいが気になるのです。
ある時期まで、体臭カバーは外国製の香水が担ってきましたが、近年その座を、生活の中で使う身近な商品が取って代わるようになりました。そのせいか、それぞれの商品の香りが強めになったように感じるのは私だけではないでしょう。シャンプーにヘアスプレー、基礎化粧品と、頭部だけでもいくつもの香りが使われ、衣服の柔軟剤なども加わり、一人の体から多くの香りがにおうようになりました。最近は、お菓子をイメージした香りもあり、数種の異なる系統のにおいが混じり合い立ち上ると、心地良い香りには感じられないのです。

香りの交通整理をしよう

男性が嫌なにおいになりにくいのは、化粧品類に使われる香りの幅が狭いためです。メントールやミント系が主になっている物が多く、混じり合ってもすっきり、爽やかな範囲にとどまっています。
女性も使用するシャンプーや整髪スプレー、服の柔軟剤などの香りの系統を揃えると、香りのぶつかり合いを防げます。あなたの佇(たたず)まいやファッションの雰囲気に合っていればなお良い香りに感じ、あなたを引き立ててくれるでしょう。自然な香りが好まれる今、におい対策をして、爽やかに過ごしたいものです。

ランチに食べた物 当てましょうか?© K’s color atelier

今月のレッスン

歯ブラシやマウスウォッシュを持ち歩きましょう。

 (「Are You Happy?」2022年8月号)


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