
肩こりの主な原因
・ 血行不良
・ 冷え
・ 生理
・ 同じ姿勢
・ 目の疲れ
・ 運動不足
・ ストレス
・ 寝違え
最近はコロナの影響で長時間のパソコン使用やデスクワークが増え、ますます肩こりに悩む人が多くなっているようです。肩こりには急性と慢性があり、急性の肩こりは、主に仕事など普段の生活のなかでの緊張やストレス、寝違えが原因です。
特に女性に多いのは、慢性の肩こりです。原因はいくつかありますが、一つは女性は男性に比べて首が細くて長いので、重い頭を支えるのに肩や首に負担がかかっているからだと言われています。二つ目は冷えです。女性は男性に比べると筋肉量が少ないので冷え性の方が多く、冷えによって血行が悪くなり、老廃物が溜まりやすくなるのです。
三つ目は生理です。生理によって体内ホルモンが変化すると、頭痛やめまい等の症状が起きやすく、それによって肩こりが引き起こされてしまいます。
肩こりの予防・解消には、血行の改善が効果的です。デスクワークの方は、1時間に1回肩回しをするだけで違いますよ。入浴はシャワーだけで済まさずに、湯舟に浸かって体を温めましょう。
漢方では、肩から上を温めてくれる葛根湯が急性の肩こりに効果的です。葛根湯で胃もたれするという方は、桂枝加朮附湯に変えてみてください。20~30代で慢性的な肩こりがある方は当帰芍薬散、40~50代の方には加味逍遙散、体力があり普段からスポーツをする方は、桂枝茯苓丸がおすすめです。
すき間時間のツボ押しで肩こり解消!肩こりに効く2つのツボ

親指と人差し指の間にある万能ツボ。肩こりはもちろん頭痛や目の疲れの解消にも。痛気持ちいい強さでゆっくり押しましょう。

首のつけ根と肩先を結ぶ線の中央にあるツボです。ツボと反対側の手の指で、3秒かけて押したらゆっくり手を離しましょう。
Column 「血の流れ」と「気の流れ」を改善する食材で肩こりを予防
肩こり解消にいいとされる食材としては、血行不良を改善して体を温めるにんにくやショウガ、ニラなどがあります。もっと根本的な改善を目指すなら、血液が物質化する前の「気の流れ」を良くするシソやセロリ、柑橘系の食材を積極的に摂りましょう。
血行不良に にんにく、ショウガ、ニラ、玉ねぎ、シナモン
気の流れに シソ、ミント、セロリ、柑橘類
四十肩も肩こり?
四十肩や五十肩は肩関節周囲炎といって、単なる肩こりではありません。筋肉ではなく腱や関節の炎症なので、処方する漢方も変わります。四十肩には二朮湯(にじゅつとう)がおすすめです。
おすすめ漢方薬
急性の肩こりには…
定番漢方 葛根湯(かっこんとう)
胃もたれしやすい人に 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
慢性の肩こりには…
体力があまりない人に 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
更年期世代の人に 加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力がある人に 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
(「Are You Happy?」2022年6月号)
小林城治
精神科・心療内科医
医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。
高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。
書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。