自分を見直そう
年度替わりは自分を見直すチャンスです。ヘアースタイルや服の形、素材、色、身に着ける小物など、それぞれが意味を持っています。それらを無意識に選んでいませんか?
相手とつなぐ架け橋
ある化粧品会社が、社運をかけて売り出した高品質の化粧品が全く売れませんでした。品質の良さをパッケージでも伝えようと、黒漆塗りの容器に替えたところ、日本より先にパリで火がつき、世界的なヒット商品となりました。
私たちは、パッケージから中身を想像しています。高級感漂うパッケージには高品質のものが、簡素なものにはそれに見合う中身が入っているとイメージしています。
近ごろの化粧品のパッケージは美しくはあるものの、簡素な素材を使い、ゴミが出ないよう工夫がされています。エコに関心のある方が手に取りたくなるパッケージで、今を生きていることを感じさせるデザインです。
素敵なパッケージは目を満足させるだけではありません。手に取った人の気持ちを高揚させ、血の巡りを良くするなど美への助走になっています。パッケージは、中身を相手に気持ちよく受け取ってもらうための架け橋なのです。
外見と内面の関係
本人の外見づくりは化粧品のパッケージデザインに似ています。芥川賞受賞作家の森敦さんが、あるとき、こんなことをおっしゃいました。
「最近、街中で『森さんですか』と声をかけられるようになった。以前は、そんなことなかったけれど」
初めてお会いしたころの森さんは、身を整えることに興味がなく、茶色い淵のプラスティックの眼鏡に毛量の多い黒髪がばさりとかかり、どこにでもいるおじさんでした。
ところが久しぶりにお会いした森さんは、白髪になるのに合わせたマッシュルームカットに、真っ黒な太いフレームの眼鏡をかけられていました。一癖あるが柔らかなその風貌には、内なるものが外に染み出ており、街中で人目を引く存在感があります。
「自分は特別変わった感じはないんだけれど」
人は良くも悪くも外見から想像されています。元気なのに「疲れている?」と聞かれるのは、服のほつれやファンデーションの色のせいだったり、意図していないことからも想像されています。
せっかくならば、なりたい自分をイメージし、表に見せてはいかがでしょうか?
外見に自分の役割を見せる
外見を変えると、人はそれを見て反応を返してくれます。相手の対応から自分もその気になり、内面も外見に合っていくものです。仕事の場なら、自分の役割を見せても良いでしょう。キャスターは番組の立ち位置によって、ファンデーションの色を変えています。ニュース担当者は感じの良い肌色、スポーツ担当者は健康的に、追悼番組では光りものは混ぜない、というように選びます。それは、視聴者に気持ちよく自分を受け取ってもらう外見の作り方です。
真新しいマスクを一枚常備する
手始めにマスクから選んでみましょう。かわいい柄付きを選ぶと、声をかけられやすくなり、季節を表すデザインなら、洒落た印象になります。選択肢に加えたいのは、真新しい白の不織布マスクです。個性がないようですが、今の時代に世間が求める清潔安全を表します。一枚ポーチに常備し、大切な人や初対面の方に会う直前に、毛羽立ったマスクから真新しいマスクに変えるだけで、印象度はぐっと上がるでしょう。
身に着ける物を選ぶ作業は、自分の未来を考えることになります。意図を持って選ぶことで、周囲の反応をコントロールし、居心地の良い空間を作り出しましょう。
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あなたのパッケージ どうなさいますか?
© K’s color atelier
今月のレッスン
今日、着けて出るマスクを選んでみましょう。
(「Are You Happy?」2022年3月号)
![](https://are-you-happy.com/files/2025/01/Q8ptAX4X.jpg)
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