心と体の免疫力アップ術

病気やウィルス感染から私たちの体を守ってくれる免疫の力。
ストレスや不規則な生活で弱まりがちな現代人の免疫力を高めるための「心の持ち方」「生活習慣」を、それぞれの専門家たちがアドバイス。
いますぐ実践して、健康な心と体を手に入れましょう!

心と体の免疫力セルフチェック

当てはまると思う項目をチェック!
各項目で3つ以上チェックが入ったら、免疫力が下がっている可能性が。
生活習慣を見直して、免疫力アップを図りましょう。

の免疫力

□ちょっとしたことで落ち込みやすい
□他人からどう思われているか気になる
□最近、思い切り笑っていない
□夢中になれることや趣味と言えるものがない
□悩みがあると、くよくよ引きずってしまう
□些細なことでイライラしてしまう
□言いたいことを我慢することが多い
□人と話すのが嫌い
□コロナが怖いので外出や人混みを避けている
□神様やあの世の存在は信じていない

の免疫力

□風邪をひきやすく、長引きやすい
□慢性的な冷え性、肩こりがある
□朝食は食べないことが多い
□食事は、外食やコンビニなどのお弁当が多い
□甘いものが好き
□夜はシャワーで済ませることが多い
□夜寝る時間が遅い
□慢性的な睡眠不足
□休日はどこにも出かけず家でゴロゴロすることが多い
□デスクワークが多く運動不足

免疫力を上げる心と体のつくり方

精神科・漢方内科医の小林城治先生に、心と体と免疫力の関係性についてお話をうかがいました。

免疫とは、細菌やウィルスなどの異物から体を防御するシステムのことです。上のチェック項目にあるように、生活習慣が乱れていたりストレスを抱えていたりすると、免疫が低下してさまざまな病気にかかりやすくなってしまいます。チェックが多かった方は、生活習慣や心の状態を見直すことをおすすめします。

もしコロナウィルスにかかったとしても免疫機能が正常に働いていれば、それほど重症化せずに治るはずです。ただ、たばこを吸う人は気管がやられていて免疫が落ちていますので、重症化する場合があります。実は、運動のしすぎもよくありません。過激な運動をすると活性酸素が増えて、それが細胞を攻撃してダメージを与えてしまうのです。活性酸素はガンになる要因の一つとして知られていますが、ガンは心の状態で治り方がまったく違ってきます。ネガティブな方とポジティブな方とでは、治癒率は3倍以上も違うと言われています。

そのように、免疫力は心の状態によって大きく変わってきます。ストレスがあったり、悲しいとかつらいとか苦しいといったマイナスの感情を持つと、リンパ球の中のNK細胞が働かなくなり、風邪をひきやすくなったり、ウィルスに感染しやすくなったりします。ただ、ストレスがまったくなければいいというものでもありません。ストレスが低すぎると認知症になりやすいと言われているんです。ですから、免疫のシステムにおいても中道が大事ということですね。

心の面から免疫力を上げるには、プラスの感情を持つことが大切ですが、そのためには悩みごとを相談できる相手が身近にいるといいと思います。
話を聞いてもらえるだけでも心が落ち着いて、明るく前向きな気持ちになれますので。
免疫力を上げるために私がやっているのが瞑想です。毎朝、御神前で「自分は健康だ」というイメージと、天上界から光が入ってくるイメージをしながら瞑想をして1日をスタートさせます。運動面では、がんばりすぎない程度のウォーキングとスクワットですね。スクワットは体幹も腹筋も背筋も鍛えることができます。また免疫力を上げる漢方としては、疲れが取れないときに気を増して抵抗力をつける「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や、胃腸を整えてくれる「六君子湯(りっくんしとう)」がおすすめです。
健康生活の3本柱である「食事」「運動」「睡眠」についても触れていきますので、参考にしてみてください。

朝と夜の免疫力アップルーティン

「朝の時間」と「夜寝る前の時間」で免疫力をアップする6つのルーティンと、おすすめアイテムをご紹介します。

1 朝起きたら朝日を浴びる。

朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。それによって体内時計がリセットされ、良質な睡眠につながります。曇りの日の照度でも十分です。また、朝起きたときにおなかが空いたという感覚があれば、熟睡できている証拠です。

2 発酵食品や根菜を毎日摂る。

腸内の善玉菌を増やす納豆やヨーグルト、チーズなどの発酵食品、食物繊維の多い根菜類や豆類、野菜を積極的に摂ることで免疫力がアップします。また、殺菌作用のある唾液の分泌を促すためにも、よく噛んで食べることをおすすめします。

3 通勤時間を使って運動不足を解消。

日々の生活の中で運動不足を解消する工夫を。おすすめはウォーキングです。1日4000歩以上でウツ、5000歩以上で認知症、7000歩以上でガンが予防できると言われています。1日8000歩クリアできれば、病気を寄せつけない健康な体に。

4 笑う。

笑うことでウィルスと戦うNK細胞が活性化されます。免疫力アップはもちろん、ストレス解消、記憶力向上、ガンや認知症予防など、笑いにはさまざまな効果が。

5 体を芯から温めて冷えを予防。

体温が上がると免疫が活発になり、体温が下がると免疫が下がってしまいます。夏でも冷房で体は冷えがちなので、毎日湯舟に浸かるなど、十分な冷え対策を。

6 良質の睡眠をとる。

個人差はありますが、一般的に毎日7時間前後の睡眠をとれば健康で長生きすると言われています。また、私たちの体には毎日約5000個のガン細胞ができるのですが、夜寝ている間に免疫細胞が、ガン細胞を食べてくれています。免疫力アップには良質な睡眠が不可欠なのです。

(「Are You Happy?」2020年8月号)

最新号!病気が治る 奇跡のヒーリングパワー 好評掲載中!

3月号の見どころ!
Amazonで買う

最新情報をチェック!
フォローする

印刷する

小林城治 

精神科・心療内科医

医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。

高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。

書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。

公式サイト