中年期の家庭のお悩みQ&A

夫婦問題研究家・離婚カウンセラーの岡野あつこさんに、中年期に抱えやすい家庭の悩みについて答えていただきました。

中年期は、心に余裕がなくなり、家庭に不調和が起きやすい時期です。

私は約30年、離婚カウンセラーをしていますが、相談にいらっしゃる方は40〜50代が中心で、中年期に夫婦のどちらかが離婚を考えるケースはとても多いです。
中年期に入ると、男性は仕事の責任が重くなってきて、「家族のためにも頑張らなければ」と、仕事中心の生活になりがちです。家庭と仕事を両立できる人は少なく、どうしても家庭のほうが疎かになりますが、そうすると妻は、我慢して不満をためこんでしまったり、夫にうまく相談できず、夫婦げんかが増えてくることもあるようです。
また、「パートナーは自分の気持ちを分かっているだろう」と思い込んで、コミュニケーションを疎かにしていると、そこに、「介護」や「子育て」、「体の不調」など、中年期特有の問題が現れてきて、心に余裕がなくなってしまい、いっそう家庭に不調和が起こりやすくなるのです。このように、中年期は、家庭に悪い流れが生まれやすい時期でもあります。
「中年の危機」を夫婦で乗り越えるためには、いかに相手の気持ちを想像できるかが大切になってきます。仕事や家事で心がいっぱいいっぱいのときは、どうしても、自分のことばかり考えてしまうものですが、「相手は今、どう思っているのだろう」と考えられる夫婦の間にはけんかは起こりにくいものです。また、人生経験を重ねるごとに成長し、変化していくパートナーに対して、興味を持ち続ける努力も必要です。
自分自身の愛の器を広げ、相手を理解し、お互いに思いやりの心を持つことが、家庭の問題を解決する鍵になります。

夫婦の悩みQ&A

Q 子供が自立し、夫と2人の生活になってからほとんど会話がなく、この先、2人で生活を続けていく自信がありません。

A 関係改善のための努力を

夫婦は合わせ鏡なので、きっとご主人も居心地の悪さを感じているはずです。女性は、「このまま私が我慢すればいい」と思う人が多いですが、実は現状維持の考え方が一番良くありません。我慢したあげく、もっと優しい女性がご主人の前に現れ、「お前とは離婚だ」と言われたとき、果たして本当にいいのかと自問してみてください。嫌ならば、いたわりの言葉をかける、会話のきっかけをつくるなど、あなたの方から改善の努力をしましょう。

Q 夫の浮気が発覚し、別居して2年になります。「別れたい」と言われましたが、専業主婦で働いた経験がなく、離婚後の生活が不安です。

A シミュレーションをして自立の準備を

今は3年別居していたら、裁判で「もう離婚しなさい」と言われることがあります。経済的に不安だから別れたくないというのはあなたの都合で、夫は早く浮気相手と一緒になりたいと思っているはずです。まずは、不安を取り除くために、経済的なシミュレーションをしましょう。そして、具体的な不足金額が分かったら、パートに出るなど、自立の準備を始めます。どうにもならない関係にこだわるのではなく、お互いが幸せになる人生を選択しましょう。

Q 夫とは数年前から関係が冷え切っています。最近、この人となら幸せになれると思う相手が現れましたが、子供のことを考えると離婚に踏み切る勇気が出ません。

A 相手が遊びかどうかをきちんと見極めましょう

まず、相手に遊ばれていないかどうかを見極める必要があります。その際は、相手の態度などではなく、「もし今の夫に訴えられた場合、慰謝料を払ってでも、一緒になってくれる人かどうか」を判断の基準にすべきです。「お金のことなんて聞けません」という人もいますが、そもそも相手に慰謝料を払う気がないのであれば、あなたが不幸になる可能性は高いでしょう。慰謝料を払った上で、それでもあなたと一緒になりたいと言ってくれる相手となら幸せになれるかもしれません。

Q 最近、夫が「会社を辞めて起業したい」と言い始めました。どのように考えればよいでしょうか。

A まずは夫の気持ちをしっかり受け止めましょう

“起業は人生の夢”という男性は多いので、「生活があるのにどうするの!」とむげに反対しては夫婦仲が悪くなりかねません。まずは夫の気持ちを受け止めましょう。そして、起業の背景をよく理解した上で、賛同できるかどうかを考えます。独立して成功する場合もあるので、動機や計画がしっかりしていれば応援してあげるべきです。逆に、危険だと感じる場合、不安な気持ちを正直に伝え、コンサルタントなど相談できる人を見つけましょう。

Q 共働きですが、貯金がまったくできません。将来の不安が募り、家計のことでけんかが増えました。

A 今を充実させて、建設的に将来を設計しましょう

今、夫婦共に元気なら、そこまで先のことを心配する必要はありません。「病気もなく、健康で働くことができてありがたいね」と夫婦仲良く、今ある幸せを大切にして過ごしましょう。その上で将来のために貯金を考えるなら、経済レベルを下げる工夫も必要です。あれもこれもという思いを捨て、食費や教育費などを見直したり、いざとなれば生活費の安い田舎に引っ越すなど、生きる道はいくらでもありますから、建設的に将来設計をしましょう。

ミッドライフ・クライシスチェック

夫が中年期特有の不調に陥っていないか、下の項目をチェックしましょう。

□最近、夫の表情が暗く、以前に比べて口数が少なくなった
□「独りの時間が欲しい」と言い始めた
□最近、暴言や小言がひどくなった
□派手な服装をするようになった
□急に健康志向になり、筋トレを始めたり、サプリを摂るようになった
□衝動的に大きな買い物をすることが増えた
□突然、「転職や起業をして人生を変えたい」と言い出した
□自己実現、自己啓発系の本やセミナーに夢中になり始めた
□急な出張や週末の外出が増えた
□パチンコや競馬にハマり始めた

子育ての悩みQ&A

Q 子供が自立し、心にぽっかりと穴が空いてしまいました。

A 新しい生きがいを見つけましょう

人生は長いので、自由な時間が与えられたと考え、次の目標を探すことです。「私は昔、何をやりたかったのだろう」と、人生を振り返ってみてはいかがでしょう。私は3年前に病気を患ったことをきっかけに、学生時代の夢だった留学を目標にして、毎日英会話のレッスンを受けるようになり、今はとても充実しています。子育てという一大事業を立派に成し遂げた自分を誇りに思い、次の一歩を踏み出しましょう。

介護の悩みQ&A

Q 夫は義母の介護を私に任せきり。疲れ切ってしまいました。

A 相手への思いやりを持ちましょう

義理の親は嫁に厳しく当たることも多く、「嫁だから当たり前」と、夫からのねぎらいもないと、「私はお手伝いじゃない」という気持ちにもなりますよね。家族と相談して、ヘルパーや施設などの活用も考えてみてはいかがでしょう。逆に、親の介護に専念すると、「自分より親を大切にするのか」と、夫の浮気や離婚問題につながるケースもあります。自分の「当たり前」を押しつけず、お互いをねぎらい、感謝し合うことが大切です。

愛の器を広げ、相手を思いやることが中年期における家庭問題の解決の鍵になります。

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