人は人生計画を立てて霊界から地上に生まれてきます。「生まれ変わろう」と決意してから、お母さんのおなかに宿るまでの過程を詳しく見ていきましょう。(教えてくれたのは、幸福の科学 宗教教育企画局 エンゼルプランV 担当局長 転法輪 蘭さん)(「Are You Happy?」2019年1月号掲載)
魂の成長のために生まれ変わる
生まれる前の魂は、この世に生まれる目的や使命を果たすために、さまざまな準備をします。目的や使命は人によって違いますが、共通しているのは、魂を成長させるために生まれるということ。
人は、天上界(天国)で、過去に地上に生まれたときの姿かたちや個性を持って生活しています。天上界は、とても居心地がいいのですが、魂の波長が合う人と一緒にいることが多いため、なかなか魂を成長させることができません。そこで、新しい経験を積むために、違うタイプの人たちが一緒に生まれ、切磋琢磨している地上に生まれるのです。
生まれ変わりの周期は多くの場合、300年から400年ほどで、過去に生まれたことのある国に生まれる場合もあれば、まったく別の国に生まれることもあります。貧しい環境に生まれ、努力して成功した人が、次は豊かな家庭に生まれて、その中でも努力し続けられるかを試すなど、立場もさまざま。そのほうが、魂が多くの学びを得られるのです。
現代は、科学文明が発達していて情報量も多く、狩猟時代や農耕時代に比べて魂の勉強になることがたくさんあるため、「地上に生まれたい」と望む魂が多いと言われています。
人生計画のポイント
生まれる決意をしたら、まず人生計画を立てます。そのときにポイントとなるのが、「魂の傾向性」や「カルマ」です。
魂の傾向性というのは、同じような状況で同じような判断をする“クセ”のことです。例えば、「真実を探究する気持ちが強い」「困難な状況でもあきらめない」といったプラスの傾向性もあれば、「些細なことで怒りが爆発してしまう」「困難なことから逃げてしまう」といったマイナスの傾向性もあります。人生計画を立てるときには、良い傾向性はさらに伸ばし、悪い傾向性は修正できるような課題を設定します。
また、過去の転生で人を傷つけたことがあるなど深く後悔していることがある場合は、それが魂にカルマとして刻まれています。そうしたカルマを解消するために、あえて自分が傷つけられ、過去に傷つけてしまった人と同じ経験をする計画を立てることも。
人生には苦難や困難がありますが、それは魂を成長させるために自ら計画した「問題集」であることがほとんどなのです。
性別も自分で決める
人生計画を立てるときには、性別も自分で選びます。何度も女性として生まれる人、男性として生まれる人、男女を入れ替えながら生まれる人などさまざまです。最近では、肉体の性と心の性が一致しないLGBTの問題が注目されるようになりました。これは予定と違う性で生まれてしまったり、本人が選んだ性ではあるものの、例えば「長らく女性として転生していた人が久しぶりに男性に生まれた」ケースや、あるいはその反対のケースなどが原因になっているようです。
親子は約束して生まれてくる
「親が勝手に生んだ」「子供は親を選べない」などと思春期に反発する子供もいますが、親子は約束をして生まれてきています。
しかも、ある程度、“魂の波長”が合わなければお母さんのおなかの中に宿ることはできません。親子になる魂は縁が深い場合が多く、過去世でも親子だった場合や、あるいは、過去世では子供のほうが親だった場合など、立場が逆転することもあります。ほかにも、過去世ではきょうだいや夫婦だったなど、肉親だったケースが7割ほどになると言われています。また、人生計画の上で、「音楽家として成功したい」「アスリートになりたい」と考えている場合などは、必要な家庭環境や身体能力を与えてくれる親を選ぶこともあります。
何度も人生を共にした縁の深い魂を「ソウルメイト」と言い、親族や親しい友人、職場でよく顔を合わせる人などは、過去にも同じ時代・同じ地域にまとまって生まれてきていることがあります。
生まれ変わりは一大決心
生まれ変わる決意をし、人生計画を立てて親を決め、「さあ、お母さんのおなかに入ろう」というときを迎えるのは、実はとても勇気のいることです。なぜなら、それまで天上界で幸せに暮らしていた魂も、一度地上に生まれれば、生まれる前の記憶をすべてなくしてしまうため、人生の目的と使命を果たすことができない場合があるからです。そればかりか、自分自身の本質が魂であることを忘れ、さまざまな欲に溺れて地獄に落ちてしまう場合さえあります。どんな魂であっても、生まれるときにはゼロからのスタートを切ります。それは、この世が「修行の場」だからです。
生まれる前の赤ちゃんの魂は、両親が予定通り自分を産んでくれるかどうか、自分が無事に大人になって、立派に人生の目的と使命を果たせるかどうか、不安と期待が入り混じった気持ちで、天上界から両親の様子を見守っているのです。
一人ひとりに守護霊がついている
こうして地上に生まれ、人生を生きている私たち一人ひとりには、いつもそばで見守っている霊的存在がいます。それが守護霊です。
人間の魂は、通常、地上の本人も含めて6人の魂グループをつくっていて、このうちの1人が守護霊を務めます。魂グループの6人は、それぞれが地上に生まれたときの個性を持っていますが、その経験や教訓を共有しています。ほとんどの場合、守護霊になるのは、直近で地上に生まれて、この世の最新事情に詳しい魂です。
赤ちゃんが宙を見つめてにこにこ笑っているときは、もしかしたら、守護霊とお話ししているのかもしれません。
Column 流産になってしまった子はどうしているの?
とても悲しいことですが、流産や中絶などで、生まれる前に亡くなってしまう場合もあります。お母さんのおなかに宿るために赤ちゃんの意識になっていると、肉体がなくなっても魂はすぐに大人の意識に戻ることができません。両親が霊的真実を知らないと、赤ちゃんの意識のまま地上で迷ってしまうこともあります。あの世に還ることができれば、縁ある魂のお世話を受けて大人になるまで育ててもらいます。現代では、結婚を約束した相手が中絶されてしまって生まれていないなどの理由で、結婚できない男女も増えているといいます。母体の健康上の理由や、犯罪などやむをえない場合もありますが、中絶はできるだけ避けたほうがいいでしょう。
Books
「魂」の視点で考える個性を伸ばす子育て
胎児の魂の様子など、生まれ変わりや子育てにおける霊的真実を、大川総裁自身の子育て体験にもとづくヒントとともに伝える。子育てに悩んだら開きたい一書。
いじめや自殺を防ぐ魂の教育とは
いじめや自殺などの社会問題を解決する上で大切なことが、「生き通しの生命」という視点から語られる。ソウルメイトなどについても触れられており、身近な人との縁の深さを再確認できる。
徳のある子供を育てるには
子供を上手に育てる「あげママ」になるための知恵が、勉強などの知識教育のみならず、徳や芸術的才能を育てる教育など幅広い観点から説かれる。妊娠中の子供の魂の様子についての質疑応答も収録。
すべて、大川隆法 著 幸福の科学出版刊
(「Are You Happy?」2019年1月号)