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娘とちょっとしたことでケンカになってしまいます。〔竜の口法子校長の熱烈エール もう大丈夫!〕

〔お悩み〕
高校生になる娘は負けん気が強く、叱ると絶対に反抗してきます。私もどちらかというと気が強いタイプということもあり、毎日のようにケンカになってしまいます。ただ、親として言わないといけないこともあるので、なかなか引き下がれません。娘との関係を良好にするにはどうしたらいいでしょうか。(44歳/愛知県)

自分と似た部分がぶつかっているかも

質問をお聞きしていると、お母さんと娘さんは、「似た者同士」で、その似ている部分がぶつかって、ケンカになっているような気がします。同時に、親子の縁が深いのだなと思いました。中高生時代は、人生で一番、大人への反抗心が出てくる時期です。学校の先生など、普段接している周りの方々への反発から始まり、身近な親に対しては遠慮がない分、さらに感情をぶつけてくるでしょう。ただ、表に出せるというのも大切なことです。10代で反抗期がないまま自立が遅くなり、30歳を過ぎても親に依存する子供もいると聞きます。

娘さんは、負けん気が強いとのことですが、何を言っても決して嫌われない相手であるお母さんに、甘えているのでしょう。言葉を変えれば、娘さんにとって、気を使わずに思いきりケンカができる唯一の存在がお母さん、ということです。

親が持っていない長所を認めてあげる

お母さん自身も娘さんとぶつかってしまったときに、「なかなか引き下がれない」とのことですが、娘さんの年齢であれば、お母さんが娘さんよりしっかりしなければならないと気負う必要はないと思います。押さえつけるのではなく、適当に子供に負けてあげることも必要です。善悪などの大事なことは言わなくてはいけませんが、威圧しないことです。

「あなたには親が持っていない、こうした優れたところがあるね」

例えばこんなふうに、何か一つでもいいところを認めてあげると、子供は一まわり成長してくることがあります。

耳を傾けると、娘さんの主張している意見にも、ある程度参考になるところがあるかもしれません。ちゃんと向き合えば、「自分の話も聞いてくれた」と、子供の気持ちが落ち着くこともあるのです。

自立させて、近すぎない距離を取る

例えば、娘さんの得意分野で、お母さんが知らないことを教えてもらったり、世間の流行を娘さんと一緒に学んだりといった関係を目指してもよいのではないでしょうか。親も完璧ではありません。「すべての面で、親は子供より上でなければならない」と思うと、抑圧的になり、子供は大変苦しみます。

親子の問題は永遠のテーマです。人生経験のある大人から見たら、いつの時代も若い人には、なかなか満足がいかないものですが、お母さんの10代、20代のころを思い出してみると、今、娘さんがどうしてほしいか、理解できるのではないでしょうか。

高校生であれば、ある程度は自立させていったほうが、親子関係が良好になることも多いです。長い目で見て達観し、近すぎない距離の取り方も必要かもしれません。もう大丈夫‼

(「Are You Happy?」2021年7月号)

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