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日焼け止めでプチ整形〔岡野宏のビューティーレッスン〕

日焼け止めが効かない?

太陽の陽射しが気になる季節になりました。白肌が美しい森光子さんの肌に焼けムラができていたことがあります。

「ちゃんと日焼け止めを塗っていたのよ」

日焼け止めが効かなかったという声を多く聞きます。なぜ効かなかったのでしょう?

塗るときは丁寧に

原因の一つ目は時間切れです。日焼け止めの効果が持続するのは2〜3時間程度なので、色白の人は特に厳守し、こまめに塗り直しましょう。第二に、汗や皮脂の作用で効果が弱まったため。第三は化粧崩れを抑えるときに拭き取ってしまったため。第四の原因は塗り方にムラがあるためで、塗った厚さの差が、日焼けの色ムラとなって現れます。乳液や油脂類を拭いてから日焼け止めを塗ると持ちが良くなり効果が続きます。

忘れがちなのが、耳や鼻の穴、耳裏です。アゴの部分は塗ったら上手くぼかしましょう。そうしないと、塗ったところだけ白く仮面をつけたような顔になります。

焼くところ 焼かないところ

パリから来たイヴ・サンローランのモデルたちは、体の凸に日焼け止めを、凹にサンオイルを塗り、立体感を作っていました。彼女たちが特に真剣なのは脚部で、骨が浮いた部分や脛に日焼け止めを塗り、両サイドにサンオイルを塗ると白い光が当たったように見え、脚長効果があるのだとか。

クイーンのフレディ・マーキュリーは、マイクスタンドを振り回すのが売りでしたが、ごつい指先を華奢に見せるために、指の背の中心、爪の下から根元にかけて1センチの幅で日焼け止めを塗っていました。そうすると、繊細な指に見えるのだそうです。

顔にメリハリを作る

顔のシワを目立たなくするには、書道の筆を使ってシワの中に日焼け止めを塗りますが、これは俳優のアラン・ドロンやイヴ・モンタンなどフランス人男性がするやり方です。目の下の隈は膨らみまで塗ってしまうと、トランプ大統領のように真っ白になって、締まりがなくなります。筆で深いくぼみにだけ日焼け止めを塗り、影を和らげましょう。

鼻筋、頬、額の中央に日焼け止めを塗って凸を、それ以外の部分にサンオイルを塗ると、顔に立体感が出ます。丸顔、下膨れ顔の人は、耳の下の両頬の膨らんでいる部分にサンオイルを、それ以外の部分に日焼け止めを塗ると顔が引き締まって見えます。

また、顎に日焼け止めを塗り白くすると面長に、逆にサンオイルを塗って濃い色に焼くと顔が短く見える効果があります。一度で完成させようとするとグラデーションがくっきりしすぎます。きれいに立体感を作るために、3〜4日に分けて焼き、その都度、火照りが収まってから焼くようにしましょう。

もし日に焼けてしまったら

日に焼けることは軽度のやけどなので、保冷剤や氷を布で巻いたものを当てて冷やし、熱を取ります。日焼け後、24時間放っておくとシミになりやすく、72時間以上何もしないと小ジワの原因になります。熱が取れてからセラミドの入っている化粧水、クリームで乾燥をカバーしましょう。

日焼け止めを選ぶときは、宮沢賢治を思い出して、汗にも負けず、皮脂にも負けず、夏の紫外線にも負けないものを。

© K’s color atelier

「これからの時代 いろいろな肌の色が あってもいいじゃないですか」

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