〔今回のお悩み〕
中学1年生の長男は、オンラインゲームに夢中で、先日「ゲーム上のアイテムが欲しい」と懇願されました。仕方なく私のクレジットカードを使い、購入したのですが、その後もそのカード番号で課金を続けていたようで、先日10万円ほどの請求が来てびっくりしました。厳しく注意したものの、ゲームをやめる気配はなく、困っています。(42歳/東京都)
ルールを決めて、お金の重みを伝えましょう
今回の場合、いったんゲームをやめさせるタイミングは、息子さんが課金を続けたことが判明して、お母さんが厳しく注意したときだったかなと思います。今後のためにも、オンラインゲームを使うルールを早めに定めてください。できれば、ルール決めの話し合いの場に、お父さんや兄弟など、家族にも同席してもらいましょう。
使用金額の上限はもちろんのこと、時間の制限も設け、再度、親からの言葉として、「働いて、お金を
稼ぐことがどれほど大変か」「今回、どれだけ家計に痛手だったか」を、子供でも理解できるように、きちんと説明してあげてください。また、「クレジットカード利用は絶対にだめ」と、断固、譲らない姿勢も大事です。
ゲーム依存によって失うものは大きい
息子さんのようなゲーム好きの若者のなかには、度を超してゲームにのめり込み、ネット中毒や依存症になって、自分をコントロールできなくなる人も多くいます。「やめなくては」と分かっていても歯止めがきかなくなり、昼夜逆転の生活や、不登校、睡眠障害、食欲減退などに陥り、病院にかかる人や、入院する人もいます。息子さんはまだ中学1年生ですから、今なら、お母さんがしっかりと諭すことで、軌道修正ができます。
オンラインゲームは刺激が強いため、子供はすぐに飛びつき、なかには、毎日、何時間やり続けても飽きることがない、という子もいます。私は、そうした中高生を見ていると、ゲームによって失われた時間の価値は、計り知れないなと残念に思います。この時期には、ゲームではなく、読書などによって、考えを深める時間が必要です。
ゲームでは培われない人間にとって重要な力
まずは、お子さんがゲーム以外に打ち込めるものを見つけられるよう、サポートしてあげましょう。できれば、学校の部活動や習い事のような、まとまった時間を有意義に使えるものが良いと思います。
また、オンラインゲームばかりしていると運動不足になるため、自然と触れ合う場所に出かけるなど、外で体を動かす機会を積極的につくりましょう。家族にも協力してもらい、お父さんやお母さんの趣味を紹介するなど、ゲーム以外に、「楽しい!」と思えるものを見つけてもらいましょう。
将来、たとえAI時代が来ようとも、「企画力」や「創造する力」、交渉などの「人間関係力」は、欠かせない力です。しかし、こうした力は、オンラインゲームだけでは培われません。学校生活や、部活動での友人関係、家族とのコミュニケーションから得る学びは、とても大きな財産です。今後は、家族で「心」を磨く時間を大切にしていきましょう! もう大丈夫‼
(「Are You Happy?」2020年11月号)