〔今回のお悩み〕
中学3年生になる息子は、反抗期と受験のストレスからか、気分の上下が激しく、ちょっと注意をしただけでも「はぁ?」と言ってきたり、物を乱暴に扱ったりして、イライラを家族にぶつけてくるようになりました。かと思えば、すごく機嫌のいいときもあります。いわゆる反抗期のこの時期に、どのように接したらよいでしょうか。(37歳/静岡県)
親への反抗は自立への第一歩です
反抗期は、多くの場合、中学1年の終わりごろから子供たちに訪れる、成長の一過程です。親にとっては、子育ての大変さを感じる時期でもあり、「あんなにかわいかった子が、どうしてこんなに手がかかるようになったのだろう」と、思い悩んでしまうこともあるかもしれません。しかし、親への反抗というのは、自立への第一歩であり、本人の意思表示として現れているものです。
また、「受験のストレス」は、受験を控えたほとんどの子供たちに見られます。お子さんは、「反抗期と受験のストレスが一緒になって、気分の上下が激しくなり、機嫌が悪いと荒れてしまう」といった状態ですが、まず、お母さんに知ってほしいことは、「イライラをぶつけられる場所が家庭であり、それは、息子さんにとって、ありのままの自分を出せる居場所でもある」ということです。「素の自分をさらけ出しても、お母さんや家族は分かってくれる」という安心感があるのでしょう。これは、家族に甘えている面もあるのです。
子供のいいところを認めてあげること
子供が、世間や他人に大きな迷惑をかけたときは、親としてきっちり向き合い、真剣に叱らなくてはいけません。子供は大人の「本気度」を見ています。一方、日常の何気ない小さな事柄は、批判したり裁いたりせずに、「お母さんはいつも見守っているよ」という思いを持ち続けてみてください。
また、子供の声に耳を傾け、話を聞いてあげる時間をとることも必要です。そして、素晴らしいなと思うことがあったら、認めてあげてください。反抗期には、親から自立したいという思いだけでなく、「大人に認められたい」という思いも強くなり、この承認欲求が満たされると、落ち着いてきます。
子供にとってのよきアドバイザーとなる
この他に、お母さんができることとしては、高校受験に関して、志望校の周辺情報を集めることです。本屋で調べても、塾で聞いても、進路に関する情報は入手できます。受験というのは、終わるまで迷いや不安が出てくるものです。もし、お子さんが進路で迷っていたり、意見を求めてきたら、上手にアドバイスできるように準備をしておいてください。反抗期の子供は、大人からの押しつけや、上から目線で言われることは大嫌いですが、自分が知りたいことについては、教えてほしいと思うものです。都合がいいように思いますが、こうして自分の生きる道をつくっていくのです。
今は、離れすぎてもいけませんが、近づきすぎてもいけない時期です。適切な距離感を持ちつつ、受験期を家族で乗り切ってください! もう大丈夫‼
(「Are You Happy?」2020年10月号)