「知・情・意」の教育が 魅力ある人をつくる!世界にはばたく子供の育て方【幼児編】

知と情を兼ね備えた人は、智慧ある愛を実践できる「徳ある人」になります。さらに、強い意志の力を兼ね備えれば、人望を集めつつ大きな仕事を成し遂げる「大人物」となっていくでしょう。子供たちの中にある「知・情・意」の種を、3つとも健やかに伸ばしたいものです。

 

【知】・・・「知的好奇心」「考える力」「知的なものに憧れる心」を育てる

「先生、これなに?」「どうやるの?」「どうして?」エンゼルプランVの教室は、毎日子供たちの「はてな?」でいっぱい! どの子もみんな好奇心旺盛な知りたがり屋さんです。鉛筆削りの仕組みだって、子供には不思議でたまりません。飽きもせずにくるくる回したり、中をのぞいたり、色鉛筆を20本も削ってみたり……。「そんなことやってないで、さっさと片付けなさい」なんて言うと、せっかくふくらんだ好奇心の風船がパチンと割れてしまいます。大人も一緒にワクワク・ドキドキして楽しむことで、子供の知的好奇心は育まれます。

じっくりよく考える子供に育てるには、「考える時間」を与えてあげることが大切ですね。ブロックでも、お勉強プリントでも、子供が落ち着いた心で集中して取り組むには、子供にたっぷりとした時間を与え、急かさず穏やかに見守ることが大事です。

親自身が知的なものに憧れていて、家に「人類の遺産」と呼べるような教養書があると、家庭の中に学習や教養を尊ぶ雰囲気が生まれます。そうすると、子供の心にも知的なものへの憧れが育ちます。

知的なものにあこがれる子

 

【情】・・・「人の気持ちがわかるやさしい子供」に育てる方法

「人の情がわかる」というのは、人の気持ちを思いやるやさしい心を持っているということです。では、どうすれば人の気持ちがわかる子供に育つでしょうか。それにはまず、子供に、自分自身の心をちゃんと見つめさせてあげることが大切です。「自分は、人にどんなことをしてもらったらうれしいかな? 何て言われたらうれしいかな?」「どんなことをされたら悲しいかな? 何て言われたら嫌かな?」と、自分の心の動きをちゃんと見つめ、知るように導いてあげることです。

そして、自分以外の人にも、自分と同じように感じる心があることを教えてあげましょう。「自分がされてうれしいことは、人も同じようにうれしいんだな。だったら、人が喜ぶことをしてあげよう」「自分が嫌なことは、人も嫌なんだな。だったら、人が嫌がることはしないでおこう」。こういう心が育つと、人に寄り添い、共感する力や、相手の立場に立って物事を考える力が養われます。大人になってヒューマンスキル(対人関係能力)の高い人になるためにも、情を育てることは大切ですね。

情ー人の気持ちがわかる子

 

【意】・・・意志の強い子供になる第一歩は「がまん!」

勉強でも、スポーツでも、仕事でも、失敗や困難にぶつかってもくじけずに、頑張り抜いて目標を達成するには、強い意志の力が必要ですね。意志の強い子供というのは、自制心(自分で自分の心をコントロールする力)が強い子供です。「遊びたいけど、先に宿題をやろう」「もっとゲームをしたいけど、30分っていう約束だからやめよう」「鉄棒は苦手だけど、もっと練習して逆上がりができるようになろう!」。こうした、ちょっとした「がまん」と「努力」の積み重ねが、欲望や本能にすぐに負けない強い精神力を作っていきます。

生まれつき意志の強い子も、弱い子もいません。小さながまんと努力を積み重ねたら、意志の強い子になります。反対に、大人が「子供にがまんをさせるのはかわいそう」と思って子供のワガママを通してしまったり、躾を面倒がったりしていると、やりたいことしかやらない意志の弱い子供になっていきます。

意志の力を育てるには、何事もすぐにあきらめず、ねばり強く頑張ることが必要です。積木で建物を作っていて、途中で壊れてしまうと、「もうやだー!」と言って泣く子がいます。そんなときは、大人が穏やかに寄り添って「残念だったね」と子供に共感し、その上で「でも、仕方ないね。今度はもっとすごいのをつくってみようか」と根気よく励ますことが大事です。子供の意志力を育てるには、大人の側にも、粘り強い忍耐が必要です。

意志の強い子

 
(2015年6月号)

印刷する

奥田敬子 

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。