星空神話☆浦島太郎が出会ったのは宇宙人だった!?

浦島太郎

日本人なら誰もが知っている、浦島太郎にまつわるお話です。

私たちが知っている、「浦島太郎は助けた亀に連れられて、海の底の竜宮城へ行った」というお話は室町時代にできたお伽草子。それよりも古い、奈良時代に成立したとされる『丹後国風土記』には、一風変わった浦島伝説が伝わっています。それによると、「浦嶼子(うらのしまこ)という風流な青年が、亀姫という美しい姫に連れられて、天上仙家(てんじょうせんか)という場所に行った」というのです。

眠っている間に天上仙家に到着した嶼子は、大きな邸宅に連れていかれます。すると、門の前でしばしひとりになった嶼子の前に7人の子どもが現れ、「この人は亀姫のご主人だ」と噂します。次に8人の子どもたちが現れ、同じように、「この人は亀姫様のご主人だ」と噂します。

戻ってきた亀姫に子どもたちのことを聞くと、姫は、「7人の子どもたちは昴星(プレアデス星団)です。8人の子どもたちは畢星(ヒアデス星団。またはアルデバラン)です」と答えたそうです。
その後は、私たちが知っている話と大きく変わらず、「3年後に嶼子が玉匣(玉手箱)と共に故郷に戻ると、故郷では300年が経っていた」ということです。

天上仙家は天の上だから、宇宙のどこか別の星では?
昴星、畢星というのは、その星の宇宙人かも? そんなことを思いながら夜空を見上げると、また違ったおもしろさがありませんか。

Column
“ウラシマ効果”
「光速に近い速度で宇宙空間を航行して出発点に戻ってくると、出発点にいた人は歳をとるが、宇宙を航行していた人は歳をとらない」という理論上の現象を日本では「ウラシマ効果」と言います。浦島太郎が本当は宇宙旅行をしていたとしたら、その命名はまさに的を射ていますね。

illustration by Shinichiro Hattori

(「Are You Happy?」2012年1月号)

印刷する