人生の先輩たちの豊かな経験から出てくる言葉には、仕事や人間関係、子育てなどの悩み解決へのヒントがあふれています。今月は、HS政経塾で未来の政治家・経営者たちに書道を教える石橋節子さん(80歳)にお話をうかがいました。
「足ることを知る」。
「すべてに感謝する」。
母の教えは、人生がうまくいく秘訣でした。
夫婦円満の秘訣はありますか?
私たちの時代は「欲しがりません勝つまでは」で、小さいうちから我慢を強いられてきました。ですから、案外我慢することはできるんです。今は時代が違いますけれど、そうした我慢の時代なく過ごされた方々は、幸せな反面、かわいそうなのかもしれません。やっぱり人間、我慢するってすごく大事なことだと思うんです。
例えば、今は割と簡単に離婚ができるので、「ご主人とうまくやれないから離婚する」という方が増えましたね。それは少し我慢が足りないのかな、という気もするんです。夫婦だって、お互いに我慢はありますよね。何が問題だったのかがよく分からないまま離婚して、結局同じことを繰り返してしまう方も多いんじゃないでしょうか。
私自身は結婚して50年以上経ちますが、もうずっと主人に甘えっぱなしで、反省することしきりです。主人は私利私欲があまりない人で、「どうして私みたいな人と一緒にいてくれるの?」と思うぐらい、本当に尊敬しています。
82歳の今も週に3回はテニスに行って、前の仕事を生かしたボランティアに忙しく、上手にストレスを溜めないで活動しているところもすごいなと思います。私は母から「女の子は常に一歩下がって」と育てられたので、それがよかったのかもしれませんが、女性は男性と競争したらダメです。私は主人のような元気はありませんし、絶対にかないませんから(笑)。
お姑さんとの関係で悩んだことはありますか?
私はありがたいことに嫁姑の悩みとは無縁で、「あの方がお姑さんだったら、おそらく誰でもうまくいく」と思うぐらい、素晴らしいお姑さんでした。
あるとき、主人の姉夫婦が離婚して、短大生だった姪が運転免許の費用を貸してほしいと言ってきたのですが、おばあちゃんであるお姑さんはそれを断ったのです。理由を聞いたら、「これから女親ひとりとの生活になって、どんな苦しいことがあるか分からないのに、頼ればすぐに折れてくれるおばあちゃんがいるような甘い生活に慣れてしまったら、後が大変だから」っておっしゃったんです。かわいい孫をただ甘やかすのではなく、先々まで考えてやれるお義母さんって偉いなあって、本当に感服しました。
これは一例ですけども、お義母さんは芯が一本通っていて、とても賢い方でした。晩年になって自宅で介護をしたときも、手のかからない方で、いつも「ありがとう」って言葉を聞かせてくれました。不思議ですが、病院の方をはじめ、いろんな方から「奥様のお母さんですか?」とよく聞かれたんです。姑ですと答えるとびっくりされるぐらい、本当の親子のように看ていたらしいんですね。幸福の科学の教えによると、嫁と姑は実の母子以上に深い縁のこともあるそうですが、本当にありがたいご縁をいただきました。お義母さんは、ずっと私のお手本です。
続きは本誌でお読みいただけます
▶ 子育てでイライラしてしまうときの上手な対処法はありますか?
▶ 子供が巣立った後の寂しさをどうしたらいいですか?
▶ 次の世代に伝えていきたいことは何ですか?
▶ 石橋さんの元気の秘訣は?