キレイな人は始めています!「口もと」からアンチエイジング

歯科医としての経験をもとに、1月に初の単著となる
『「口もと」をキレイにすれば120%美人に見える』を
上梓した佐藤由紀子先生。

アンチエイジングの第一人者である
Dr.南雲吉則を実弟に持ち、ナグモクリニックで
アンチエイジングドック歯科も担当しているとか。

多くの女性の「口もと」の美と健康に携わってきた佐藤先生に、
アンチエイジングの秘訣を教えていただきました。

 

あなたの「口もと」は意外と見られています

 美しくなるにも、健康になるにも、幸せになるにも、私は「口もと」がカギを握っていると思っています。口から入るもの(食べ物や呼吸)と口から出るもの(言葉や表情)が、健康や幸せに直結しているからです。

 人間関係にも「口もと」は大いに影響します。人は初対面の相手の顔を見るとき、目もとと口もとを見るといわれていて、このゾーンを「ヤーバスの三角」といいます。おもしろいのが、女性が男性の顔を見るときは、まず目を見て、次に口を見て、最後にまた目を見るそうですが、男性が女性の顔を見るときは、目を見て、口を見たあと、最後にもう一度口を見るのだそうです。女性は特に、口もとをキレイに整えておきたいですね。

 

老化を引き起こす7つの原因

 私は、実弟である南雲吉則の「ナグモクリニック」で、アンチエイジングの歯科検査を担当しています。「老化の原因」は、①活性酸素、②ホルモン、③メタボ(メタボリック・シンドローム)、④免疫力の低下、⑤ロコモ(ロコモティブ・シンドローム)、⑥顎口腔系(口もと)の機能低下です。

 もうひとつ挙げるとしたら、「⑦ストレス」です。ストレスは活性酸素を増やし、ホルモンや自律神経のバランスを崩して免疫力を低下させます。やけ食いを重ねればメタボになりますね。ストレスこそ老化の最大の原因で、私は「ストレス・マネジメント」も大切だと思っています。

 

「口もと」からアンチエイジングをする3つのアプローチ

 ⑥の顎口腔系について、ナグモ歯科では、「美」「噛み合わせ」「健康」の3つのアプローチを提案しています。

 

美(外見)

 たとえば、歯並びを一本直しただけで表情が別人のように若返ってしまう患者さんを、私はこれまで何百人も見てきました。外見を整えることで自信が湧き、その「心の変化」が表情や雰囲気に表れてくるのです。

 笑顔が増えると表情筋も活性化され、フェイスラインも引き締まります。生まれつきの「顔立ち」に関わりなく、心の持ち方からくる表情筋の使い方で「顔つき」は変えられるのです。

 また、加齢にともなって歯が黄ばむと、それだけで不潔な印象になってしまいます。今は年齢や男女にかかわりなくホワイトニングをする時代。半年から1年に1回程度、プロによるホワイトニングをおすすめします。所要時間は1時間半程度です。

 

噛み合わせ(機能)

 正しい噛み合わせでリズミカルに噛むと脳が刺激され、認知症の予防につながります。玄米などの噛みごたえのある食事を、ひと口当たり30回を目安によく噛んでいただきましょう。食べ始めて15~20分経つと脳の満腹中枢が働き始め、満腹感が得られます。ゆっくり食べることは食べ過ぎの防止にもなるんですね。

 また、よく噛むと唾液がたくさん出ます。唾液は消化吸収を助けるだけでなく、口臭予防や歯の再石灰化など、たくさんの機能があります。

 なかでも注目したいのが、「上皮成長因子」「神経成長因子」と呼ばれる若返りのホルモンが含まれていること。皮膚や粘膜を修復する作用があるので、美肌効果も期待できます。唾液は「不老長寿の妙薬」「天然の美容液」です。よく噛まないと、損だと思いませんか?

 

健康(セルフケア)

 口もとの健康を脅かすものといえば、虫歯と歯周病。虫歯の場合は目に見えるので気付きやすいのですが、歯周病は感染から発症までの期間が長く、気付きにくいという特徴があります。歯周病菌はだいたい20歳くらいまでに口内に定着するのですが、そこから徐々に力を溜めて、40代、50代で免疫力が落ちたときに一気に発症することが多いです。歯磨きで出血したら、診察を受けなさいというサインです。

 虫歯や歯周病は生活習慣病です。毎日のセルフケアで、しっかり細菌のコントロールをしましょう。自著『「口もと」をキレイにすれば120%美人に見える』では、細菌をコントロールするための歯磨きの方法や海外ではポピュラーなフロスの使い方も、写真やイラスト付きでくわしく解説しています。

 なお、歯周ポケットの奥は歯ブラシでは届きませんのでプロのケアが必要です。かかりつけの歯科医を持ち、3カ月に一度は診断やケアを受けることをおすすめします。

 

「歯ッピー・スマイル」で幸せを引き寄せて!

 口は、この世に生まれたときにはじめて息を吸って、お母さんのおっぱいを吸って、一生食べ続け、話し、笑い、愛を表現する、幸せが宿る場所です。

 私は歯科医として、口もとをキレイに整える人は、そこから必ず幸せになると信じています。目指すは、〝口もとから全身健康美”。これからも、みなさんが「歯ッピー・スマイル」で幸せになるお手伝いをしていきたいと思っています。

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佐藤由紀子 

ナグモ歯科 赤坂クリニック 副院長

日本アンチ エイジング歯科学会理事、日本歯科審美学会評議員。実弟のDr.南雲吉則の ナグモクリニックでアンチエイジングドック歯科を担当。1954年、日本の美容外科の草分け南雲吉和博士の長女として生まれる。1978年、日本大学歯学 部卒業。1979年、ナグモ歯科赤坂クリニックを夫と開業。独自の歯科カウンセリングについて全国で講演。テレビ朝日「BeauTV~VoCE」に出演。 1男1女の母。趣味は読書と日舞。

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