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ママおしえて! やさしさって、なあに?―第2話「やさしく生きること

子育て奥田さん201209月号

 

「やさしい子に育ってほしい」

 たいていの親御さんは、そう願いつつわが子を育てていることでしょう。少なくとも「いじわるで思いやりのない人間になってもいい」とは思っていないはずです。
 わが子がお友だちを叩いたら、ママは「叩いちゃダメよ、やさしくしてあげて」と注意しますね。おもちゃを独り占めするお兄ちゃんには「妹にやさしくしてあげて」と言うでしょう。

 「やさしさ」とはいったい何でしょうか。どういう人が「やさしい人」なのでしょうか。あらためて問われると案外難しいものです。
 本書の第2話に、その答えが端的に書かれています。「やさしさとは、人の気持ちがわかること」だと。

 

どうすれば人の気持ちがわかるの?

 人の気持ちがわかる子になるためには、どうすればいいのでしょうか。

 まず、お子さんに、自分自身の心の中を見つめさせてあげてください。

 「○○ちゃんは、人にどんなことをしてもらったら、うれしいかな? ママにほめてもらうとうれしいかな?『いっしょにあそぼ』って、お友だちにさそってもらうとうれしいかな?」

 「どんなことをされたら悲しいかな? お友だちに叩かれたら、どんな気持ちがする? 仲間はずれにされたら、どう思うかな?」

 このように問いかけると、子どもは〝自分で自分の心を見つめる”ということをしはじめます。自己客観視の第一歩です。
 「じつはね、お友だちも○○ちゃんと同じなんだ。○○ちゃんがうれしいと思うことは、お友だちもうれしいと思う。イヤだな、と思うことは、同じようにイヤだな、と思うんだよ」
 そうして、自分以外の人にも、自分と同じように感じる心があることを発見します。

 

心の窓を開いてみよう

 自分が人からされてうれしいと思うことを、人にしてあげましょう。自分がされてイヤなことは、人にもしないようにしましょう。それが、やさしさです。やさしい心は、人も自分も幸せにします。
 幼い子どもは、まだ自分中心の世界にいます。ずっとその小さな世界にいて、はたして幸せでしょうか? いいえ、それはまるで、小さな小さなお城の中の玉座に座る孤独な王様と同じです。
 子どもの心に、大きな窓を開けてあげましょう。広い世界につながる窓を。その窓は、ほかの人の気持ちを考えることで開き始めます。

 本書が教えてくれる「やさしさ」は、人間の共感性に根ざす本当のやさしさです。「人の立場に立って考える」ということを、幼い子どもにもわかるように教えてくれているのです。ぜひ親子で学んでいただきたいと思います。

 
(2012年9月号「子育て110番」)

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奥田敬子 

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。

 

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