お腹の中にいたときの記憶を持つ子供たちによれば、障害や病気も“自分で選んで”生まれてきたといいます。「胎内記憶」の第一人者、池川クリニック院長・池川明先生に、障害を持つ子供たちの使命について伺いました。
胎内記憶との出会い
これまでに延べ3500人の胎内記憶調査を行い、お腹の中にいたころの記憶(胎内記憶)や、生まれる前の記憶(前世記憶)を持つ子供たちについての“スピリチュアルな事実”を伝え続けている、池川クリニック院長・池川明先生。自身も子供たちが語る胎内記憶に出会ったときは、大きな衝撃を感じたといいます。
「子供たちが生まれる前の記憶を持っているのではないかと思ったのが、『生きがいの創造』(PHP研究所)という福島大学教授・飯田史彦さんの著書との出会いでした。
最初は、『おもしろいな』という興味本位だったのですが、子供を持つ病院のスタッフに聞いてみると、『ありますよ』と“普通に”答えるので驚きました。妊婦健診に来た患者さんにも聞いて回ると、『うちの子にもあります』という話が結構出てきたんです。
実際に記憶を持つ子供がたくさんいるのに、“勘違い”だけでは片付けられないと感じました。
さらに、お腹の中にいる子供が外の声を聞いていて、それを覚えているとしたなら、これまでの診察に対する考え方も改めなくてはならない。医師としての価値観が変わるきっかけとなりました」
親や人生を自分で決めて生まれてくる子供たち
子供たちが語る、胎内記憶の数々――。子供たちによれば、子供は自分の意思で親や人生を決め、生まれてくるといいます。
「ある女性が第2子を流産してしまい、落ち込んでいたときのことです。その方のお子さんが、『赤ちゃんまた帰ってくるって言ってるよ。チューリップが咲くころに女の子で来るって言っている』と話したといいます。すると、本当に春先に妊娠されたんです。
子供は自分の意思で生まれてくるということを教えてくれた最初のエピソードでした。
それからしばらくして、テレビで子役として活躍していた女の子のお母さんがアンケートに答えてくれました。その子は、『きっときれいなお母さんなら、自分を女優さんにしてくれると思ったから、お母さんを選んだ』と話したそうです。
さらには、周囲の反対を受けながら出産したシングルマザーの女性は、お子さんから『空から見ていたら、お母さんが寂しそうだったから来た』という話を聞いたそうです。
これまでの常識では、『子供は親を選べない』と言われてきました。しかし、子供たちが語る胎内記憶によれば、その考えは逆で、『子供は親を選んで生まれてくる』ことになります」
あえて厳しい環境を選んで生まれてくるチャレンジングな魂
「世の中には子供を虐待する親や、子供のことを考えない親がいます。その親の元に生まれた子供は不憫だと思われますが、あえてそのような厳しい状況を子供たちが織り込み済みで選んできているとしたら、彼らは勇敢でチャレンジングな魂です。それは、病気や障害というハンディキャップを持って生まれてきた子供も同じだと思います。
実は、胎内記憶や前世記憶を持っている数人の子供たちに、病気や障害は自分で決めてきているのか聞いたことがあります。彼らによると、やはり自分で決めて生まれてくるというのです。
2001年に胎児のときに不整脈が判明し、34週で帝王切開で生まれた、いんやくりお君という男の子がいます。彼は、生まれる前の記憶を持っていて、生まれる前にどんな世界にいたのかなどを語ることができます。いんやくさん親子とは、りお君が生後6カ月のころから交流がありました。彼の言葉がまとめられた本にも書かれているのですが、りお君は自分で選んで不整脈という病を持って生まれてきたと語っています。
さらに、入院するほどの重い喘息も患っていて、それも自分で決めてきたらしいのですが、その理由が『治すのがおもしろいから』。けれど、喘息で息が苦しくなることは知らなかったそうで、心配するお母さんに『お母さんごめんね』と言って、くすっと笑ったというのです」
ハンディキャップを持って生まれる子供の使命とは
「病気や障害などのハンディキャップを持っていると、『不憫な体に生まれてかわいそう』という見方をされがちです。
しかし、子供たちが語ったように、自分で決めて生まれてきているとしたなら、『かわいそう』と思うのではなく、あえて過酷な環境や状況を選んできた、勇気のある魂の子供たちを称賛し、応援してあげるべきではないでしょうか。それに、彼らは不自由ではあっても、不幸ではないと思います。
人は、自分にハンディキャップがないと、健康であることのありがたさや、素晴らしさが見えなくなりがちです。しかし、彼らは身を挺してそれを人々に教えてくれているのだと思います。
また、ハンディキャップを持つお子さんは、人々に“優しさを与えるチャンス”を与えてくれているのではないでしょうか」
「障害」によって見えていないものがありませんか?
「ダウン症やアスペルガー症候群などの障害を持つお子さんは、心が清らかでとてもピュアです。“コントロールが難しいボディスーツ”を身にまとっているため、思うように体が動かせないだけで、魂は健全です。
医師の診断によって、病気や障害があると言われ、親は他の子と比べて「○○ができない」という視点で見始めると、子供の長所に目がいかなくなってしまいます。そうではなく、いかにお子さんの能力を見出していけるかが、親御さんの役割だと思います。
5段階評価の通信簿で、5が2つで他が全て1か2だった場合、アメリカの教育では「あなたのお子さんは、ここがこんなにすばらしい!」と評価されます。しかし日本では、「なぜここはできるのに、他はできないの? もっと頑張りなさい!」と言われるそうです。
日本では、できない部分に目が行き、過小評価してしまう傾向がありますが、教育からもマイナスを見すぎる考え方を変えていかないといけないのではないかと思います」
イメージが病を作るというスピリチュアルな話
「あまり病名にとらわれすぎないことも大切です。あるお母さんは、医師から子供がダウン症と診断され、わが子のためにダウン症について多く調べていました。
しかし、心がとってもピュアなお子さんはそんなお母さんの思いに応えようとしたのか、ダウン症を“演じて”いたというのです。
どうやらこのお子さんは、お母さんのお腹の中でダウン症で生まれるのをやめようとしたけれど、思い返したときにはすでに遅く、生物学的に変更できなかったのだとか。本人は、健常者の自覚で生まれてきたそうです。
親が障害のイメージを作り上げてしまい、子供がそれに応えようとして、さらにダウン症の特徴が強く出ていたという不思議な事例です」
お母さんたちへのメッセージ
「障害のあるお子さんは親を選ぶとき、『このお母さんなら、きっと私を支えてくれる!』と信じ、期待して生まれてきています。
また、これからお母さんになる方は、誰もが『子供が無事に生まれてきてくれるだろうか』という不安を抱えています。ですが、不安になったときは、10年後を想像してみてください。そこに描かれているビジョンが、幸せで明るいものであれば大丈夫。人生は、描いたイメージで形作られていきます。明るいビジョンを描き続けましょう。
胎内記憶や前世記憶を知ることで、『人間はこの世限りを生きている存在ではなく、国や時代、立場を変えて生まれ変わっている存在だ』ということに気付くことができるでしょう。それにより、ひいては国同士の争いも防げると思います。
私の夢は、子供たちが語る胎内記憶の研究を世界中の人々に知ってもらうこと。ひとり一人の心が穏やかになり、世界が平和になることを願っています」
池川クリニック院長・医学博士
1954年、東京都生まれ。池川クリニック院長。横浜市医師会理事。帝京大学医学部大学院卒業。医学博士。アメリカの出生前・周産期心理学協会 (APPPAH)会員。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年に池川クリニックを開設。産婦人科医として出生前記憶について研究を進める第一人 者。『覚えてるよ! 生まれる前のこと』(幸福の科学出版)『ママ、生まれる前から大好きだよ!』(学習研究社)など著書多数。