人のために行った祈願がもたらした事業の発展

クライアントの潜在力を引き出す〝天使力コーチング〟で、多くの人の成功を後押ししている稲垣さん。起業から3年、驚くほどに事業が拡大している背景には、「無私の祈り」があった。

「大人を幸せにする」ための起業

クライアントの長所を引き出すことで、ビジネスを成功に導くコーチング。稲垣さんがこの仕事を始めたのは、2014年のことだ。
「幸福の科学でボランティア活動に打ち込む一方、塾の講師として子供に勉強を教える仕事をしていました。子供の成長していく姿を見るのが、たまらなく好きだったんです」
しかし、塾講師としていくら子供を励ましても、家に帰って親に「あなたにはできない」と言われると、子供は本当にできなくなってしまう。大人の影響力の大きさを実感した稲垣さんは、コーチングの勉強を始め、「大人を幸せにする」ために事業をスタートさせた。
全力で相談者の期待に応えていったところ、瞬く間にクライアントが増え、2016年には塾講師を辞めて起業。本格的にコーチングの仕事をするようになった。
今では、個別のセッションだけでなく、コーチを養成するグループ講座や企業の社員研修でも講師を務めるなど、着実に仕事のステージは上がっている。

毎月、神様に誓願を立てる

稲垣さんは、毎月、必ず祈願を受けている。

「祈りや祈願というと、『〇〇をください』とお願いすることだと思うかもしれませんが、祈願は神様への誓いなんです。『〇〇をさせていただきます』と、誓願を神様に捧げ、実行することを自分に対して約束します」
毎月、前の月のご加護への感謝とともに、新たな誓いを立て、それに恥じない努力を続けていく。幸福の科学の仏法真理塾「シニア（ライフ）・プラン21」の在家講師になって以来の習慣だ。
「いつも『豊かさの体現者になる』という誓願を立てています。人脈もない、ただの主婦だった私が、短期間でここまで経営が軌道に乗るなんて、祈願のおかげとしか言えません。自分の能力アップや毎回のセッションに全力で取り組むなど、努力はしていますが、起業する人なら当たり前のことだと思います。祈願をすると、必要な協力者が現れてくださるし、間違った手を打ったときには、どうやってもうまくいかない状況が現れて、『そっちじゃない』と教えていただけるんです」感謝の大切さも実感している。「本当はすべてが神様から与えられています。その『ある』ということを知ってこそ、神様への感謝ができます。感謝によって、祈りが神様につながるんです」

潜在意識が「ある」と思うようになると、「ある」という現実を引き寄せるようになる。信仰を持っていない知人が困っていたとき、稲垣さんは感謝を通して祈りの力を伝えた。
「出産の直前に離婚を切り出され、上の子供3人とお腹の子を抱えて一文無しになってしまった人がいました。彼女に、『今はとても酷なことに思えるかもしれないけれど、まず感謝してほしい』と、感謝できることを紙に書き出すよう勧めました。それをやったところ、本当に人生が変わったんです」
格安で家を貸してくれる人が現れ、関係の悪かった親族とも和解し、なぜか衣類や食料などを譲ってもらえるようになった。「物はなくとも、〝心に電気がついた〞のが分かった」と彼女は言っていたそうだ。

「私の人生を使ってください」

そんな稲垣さんの転機となった祈りがある。
「友人から、『ある人がすごく苦しんでいることを偶然知ってしまったけれど、相手は私がそれを知っているとは思っていないから、声をかけるわけにもいかなくて』と相談を受けたんです。苦しんでいるという方のお名前を聞いて、運命好転を願う祈願を受けました」
人生で初めて、見ず知らずの人のために受けた祈願。すると、今までに感じたことのない幸福感に包まれたという。
「すごく大きな意味で、自分のことがどうでもよくなってしまったんです。自分が『こういうふうになりたい』というイメージすら捨て去って、ただただ神様に『私の人生を使ってください』とお祈りしました」
願いが〝自分〞という枠を超えて、大いなるものと一体になった瞬間だったのかもしれない。その「無私なる祈り」を体感した後、仕事は目に見えて発展していった。

「人は絶対、誰かの天使」

稲垣さんの会社の名前は「天使力コーチング」。ここには、ある祈りが込められている。「実は私は、一人目の子を1カ月で亡くしています。生まれたときから重度の障害があり、子供用のICUで何度も心臓が止まりそうになって。だけど、私の声を聞くと心臓の動きが戻ることが何度もありました。私にとってあの子は天使でしたが、あの子にとっても私が天使だったんだと思います。私はあの子に、『魂はある』ということと、『人は絶対、誰かの天使なんだ』ということを教わりました。だから、一人ひとりの天使としての使命を引き出せるコーチングをしたいと思っています」

（「Are You Happy?」2019年2月号）

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