インタビュー 女優・島かおり―女優生活60年目に思う「これまで」と「これから」

simasann

1960年代から多くのドラマや映画で主演を務めてきた島かおりさん。
73歳を迎えた今も、さまざまな作品の〝おばあちゃん役〟にオファーが絶えない島さんに、生涯現役ライフについてうかがいました。

 

73歳・現役女優の健康の秘訣

1960年に女優としてデビュー。その後、多くの帯ドラマで主演を務めてきた島かおりさん。73歳となった現在も、映画やドラマで活躍を続ける島さんに、健康の秘訣を聞きました。

「これといって特別なことはしていないのですが、若いころから規則正しい生活を心がけています。仕事があるときはどうしても不規則になりますが、普段は夜の9時にはベッドに入って、朝は7時に起きるんです。食べ物の好き嫌いもないので、何でもいただくんですけど、最近は腹八分目、夜8時を過ぎたらなるべく食べないようにしています。

健康には歩くのがいちばんいいと聞いてから、近所の公園を散歩するのが日課になりました。『足が痛いからやめようかしら』と思うこともありますけど、『弱気になるのはだめ』と、毎日頑張っています。今日もここまで歩いてきたんですよ。

いちばんの健康の秘訣は、ストレスをためないことかもしれません。もともと、あまりくよくよしない、のんびりした性格なんです。困ったときも『なるようになる』と思っています。昔より疲れが抜けなかったりすることで、自分の年齢に気づくことはありますが、普段はまだまだ若いつもりでいるんですよ。同窓会などで同じ年齢の人と会うと、『こんなに違うんだ』と、びっくりすることもあります(笑)。

気持ちが若くいられるのは、仕事をしているからかもしれません。最近は、撮影現場では私がいちばん年上で、共演者の方や監督さんも、だいたいみんな年下です。若い方とお仕事をすると、やはり刺激を受けますし、元気をもらえますね」

 

記憶力を鍛えるために心がけていること

それでも、「昔より台本を覚えるスピードが遅くなった」と言う島さん。セリフを覚える秘訣や、記憶力を鍛えるためにやっていることがあるそう。

「ここ10年ほどは、自分が出るシーンのセリフをすべて書いて、脚本を覚えるようにしています。共演者のセリフにリアクションをするので、自分のセリフだけでなく、ほかの人のセリフもすべて書き出すんです。

記憶力を保つために、新聞や雑誌を読んで、脳に刺激を与えることは意識していますね。ボケの症状が始まると、いろいろなことが面倒くさくなり、何もしたくなくなると聞いたことがあるので、いつまでも周りに興味を持ち続けたいと思っています」

 
続きは本誌でお読みいただけます

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これからはおつりの人生

 

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