子育て110番_201810

「掌の記憶」子育て110番 vol.87(試し読み)

「私の子育て、これでいい?」――子育て中のママたちは、毎日が試行錯誤の連続です。そんなママたちに、大切な子育てのヒントをお届けします。

裏切れないもの

 もう何十年も昔のことになりますが、思春期の頃に一度だけ、不良になろうとしたことがあります。

 繁盛していた家業が苦しくなり、両親は資金繰りに追われるようになって、家の中から団欒の時間が消えていきました。仲の良かった友だちとは別々の学校になり、成績もだんだん下がり、優等生でいたかったけれど、いられなくなりました。

 一晩中眠らずに思い詰めた私は、明け方になり、それまでの自分を全部ぶち壊したくなって、「よし、明日から不良になろう!」と布団の中で決意しました。未熟な子供の愚かな決意でしたが、もうそれしかない、そんな気持ちに追い込まれていました。

 その時です。

 ぽん…ぽん…ぽん…ぽん…。

 一つの記憶が胸によみがえりました。母が、幼い私を寝かしつけようと、おなかをぽん、ぽんと優しいリズムでたたいてくれた記憶です。すごく気持ち良くて、いつまでもそうしていてほしかった。眠ってしまうのが惜しくて、なんとか起きていようと頑張っていた、幼い日の記憶です。

 「あの愛を、裏切れない」。泣きながらそう思った私は、一睡もしないまま、その朝、普段通り登校しました……

本誌には他に以下のような内容が掲載されています
・母からもらった無償の愛
・「無償の愛は受けられなかった」と感じる人はどうしたらいいか

 


 
こちらの記事もおすすめ!
(試し読み)<母と子のキズナ見直しメソッド>両親との関係改善が 子育てや人間関係に効く!(2016年4月号)
【実践・正しい叱り方講座②】ここが親の正念場。 叱るときは、真剣に!「子育て110番」(2015年1月号)

アユハ2018年10月号表紙 (590x800)
続きは本誌へ
記事DATA

奥田敬子 Keiko Okuda

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。