女性のためのトランスフォーム仕事術 第21回「感情コントロールの知恵」

トランスフォーム仕事術とは、「コツを知り、量をこなしていって、仕事の質をガラリと変える」仕事術のこと。
今回は、仕事の成果にも影響する「感情」のコントロールについてです。

感情のコントロールはとても大切

研修の受講者の中に、とても上手にロールプレイをこなす人がいたので、さぞかし現場でもうまく交渉するのかなと思い、尋ねたことがあります。すると答えは意外でした。実はいつもうまくいかないというのです。
なぜなら、怒りにまかせた言葉が出て決裂してしまうとか、反論されて途中であきらめてしまうとか、技術よりも自分の感情がうまくコントロールできないのが原因でした。
ひところ、日本人選手がオリンピックの本番でなかなか良い成績が出せなかったことがありました。予選の段階や国内では記録が出せても、本番に弱い。これも、感情をうまくコントロールできていない例でしょう。
この他にも、就活、婚活、プレゼンなど、感情をうまく統制して、自分の本来の能力を出したい場面は、公私ともにたくさんありますね。

まず受けとめ方を変える

物事は考え方、とらえ方ひとつといえます。
たとえば、同じタレントさんが、好感度が上位にあるかと思えば、嫌われ度も上位にあったりしますね。あるいは、政策でも、社会的な出来事のアンケートでも、必ず賛成もいれば反対もいます。
つまり、物事の評価は、出来事自体や他人が決めているのではなくて、「あなたがどう受けとめるか」で変わるのです。
感情のコントロールの第一歩は、あなたの物事に対しての受けとめ方を変えることなのです。

「改善思考」をしましょう

改善思考

このようにしたら良くなる、このようにしたらできる、と考えることを、私は「改善思考」と名付けました。あなたも感情が乱れそうになったら、一回深呼吸をして、改善思考に切り換えましょう。
たとえばこれが改善思考です。提案が「予算不足で無理」とはねつけられたら、「あと150万円を確保できたらいいんだな、よしその方法を考えよう」と受けとめること。また、「そんなことは時期尚早だ」といわれたら、「3カ月後に実現できるようにプランし直そう」と考えるのです。
イライラしたり落ち込むのではなく、改善思考にうまく切り換えていけば、かなりの部分、感情をコントロールできますよ。

日頃の見方、考え方

イヤなことがあった時は

「考え方」は後天的なものなので、いくらでも変えていけます。考え方は、「習慣」でもあるのです。つまり、毎日の心がけによって、物事の見方や考え方を変えていくことができます。何かあったときに、パッと改善思考に切り替えられるようになると楽ですね。
感情をコントロールするために、習慣にしておくといい考え方をご紹介しましょう。

① どうしたらできるか考える
② うまくいったあとはどうなるか考える
③ 命まではとられないと開き直る
④ 今、何ができるかを考える
⑤ 今日1日だけ悩むと決める

などです。もちろんこのほかにも、ひとりひとりオリジナルのコントロール法があっていいと思います。あなたなりの切り替え方を考えてみましょう。
5番目の「今日1日だけ悩むと決める」というのは、自己啓発書の元祖『人を動かす』の著者デール・カーネギーが説いた、1日の枠で考えるという悩み対処法です。人間、どうしても悩んだり嘆いたりしたくなるときもありますから、そんなときはこれで気分を切り換えましょう。

感情イコール自分!?

実は、「あなたが感情に悩む」のではありません。極端にいいますと、「あなたは感情とイコール」なのです。
あなたが怒っているのではなく、怒りがあなたそのものです。あなたが不安という感情を持っているのではなく、不安がイコールあなたなのです。あなたは、鬼のような顔で厳しい言葉を放つ“怒りさん”や、八の字眉毛で要らぬ心配ばかり口にする“不安さん”になってしまうのです。そう考えますと、あなたはいつでも、“歓喜さん”“元気さん”でいたいですよね。
嫌な感情にとらわれそうになったら、「その感情は自分自身だ」と思いますと、すぐに気分がいいほうに切り替わりますよ。ぜひ試してみてください。

今回のポイント

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記事DATA

松本幸夫 Yukio Matsumoto

ヒューマンラーニング代表 / 人材育成コンサルタント

1958年東京生まれ。著作は170冊を超え、年間約200回行う研修・講演のリピート率は92%という実績を誇る仕事術の達人。主な著書に『百田尚樹に学ぶヒットを生む仕事術』(総合法令出版)『人生がうまくいく「呼吸法」』(PHP研究所)『自己能力を10倍高めるトランスフォーム仕事術』(幸福の科学出版)『超強運』(あ・うん)『図解 スティーブ・ジョブズのプレゼン術』(総合法令出版)など。著作は、韓国、台湾でも翻訳され、ベストセラーとなっている。