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熱中症【 Dr.ジョージのHAPPY診療室】

熱中症になりやすいのはどんなとき?

□アルコールを摂取しているとき
□ケガをしているとき
□睡眠不足のとき
□筋力が落ちているとき
□体調が優れないとき

気温と湿度が高くなる梅雨明けから、ぐんと増える熱中症。高温多湿によって体の内部に熱がこもると、水分が不足して血液の循環が悪くなります。そうすると、脳や臓器の機能が著しく低下し、熱中症を引き起こしてしまいます。人間の体は、低温には耐えられますが、高温には耐えられないようになっているのです。熱中症は怖いですよ。

熱中症は室内にいてもなるので、油断は禁物です。適度な水分・塩分補給をして、クーラーや扇風機を使って室内を涼しく保ちましょう。大量発汗、めまい、頭痛、吐き気など、熱中症の症状が出た場合は、首・わき・足の付け根の大動脈部分を氷などで冷やし、水ではなく経口補水液を摂ってください。スポーツドリンクは、症状が悪化する恐れがあるのでNGです。お年寄りや小さいお子さんがいるご家庭は、常備しておくと安心ですね。

五苓散(ごれいさん)は熱中症の予防に効く漢方です。出かける前に飲んでおくといいですね。その場で飲んでも大丈夫です。「飲む点滴」と言われる白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)は、典型的な熱中症の症状に。湯で溶かし、氷を入れて冷やして飲みます。甘くておいしいので子供にもおすすめです。清暑益気湯(せいしょえっきとう)は、熱中症がおさまった後の倦怠感や食欲がわかないときに使います。

夏を元気に乗り越えよう!熱中症予防チェック

□筋肉をつける。
□出かけるときは、日傘や帽子を使い、こまめに水分・塩分補給する。
□室内では、扇風機やクーラーで室温を調節する。
□通気性・吸湿性がよく、速乾性のある服を着る。
□ビタミンC、夏野菜を多く摂る。

筋肉をつけるためには、動物性と植物性のたんぱく質を1対1の割合で摂り、合わせて筋トレを行いましょう。食事だけでは筋肉になりませんよ。また、経口補水液は、普段の飲料には適していないので注意して。上記の項目を日々の習慣にして、熱中症に負けない体づくりをしましょう。

Column 筋肉をつけて熱中症を予防!

体重の6割は水分だと言われています。筋肉は「水のタンク」と言われていて、体の水分のほとんどが筋肉にあります。ですので、筋肉がない人、特にお年寄りは脱水症状や熱中症になりやすいのです。高校球児が甲子園のカンカン照りの下でプレーしても熱中症で倒れないのは、相当鍛えていて筋肉量が多いということですね。

おすすめ漢方薬

炎天下や暑い中に出かけるときの熱中症の予防に 五苓散(ごれいさん)

汗が大量に出てのどが渇き、体全体がほてっているときに 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

熱中症になった後、だるさや食欲不振が続くときに 清暑益気湯(せいしょえっきとう)

(「Are You Happy?」2021年9月号)

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小林城治 

精神科・心療内科医

医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。

高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。

書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。

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