〔お悩み〕
5年前に離婚をして、現在再婚を考えている方がいます。ただ、中学3年生の息子と小学6年生の娘がいて、お相手の方にも高校生の息子さんがいらっしゃるので、このまま再婚してしまっていいのか悩んでいます。経済的なことなど現実を考えるとあまり先延ばしにしたくないという思いもあるのですが、子供たちが環境の変化をどのくらい受け止められるか心配です。もう少し時期を待ったほうが良いでしょうか。(40歳/京都府)
子供の人生をトータルで考える
日本でも離婚や再婚は増える傾向にあります。現代は女性でも働く人が増え、社会も流動的な要素が多く、寿命も延びてきたということも、その要因としてはあるのでしょう。人生100年時代に入り、確かに再婚もしやすい時代になったのだと思います。
昔であれば、子供の養育ということから考えると、再婚しないほうが良いのではないかという意見もあったと思いますが、必ずしもそうとは限りません。それぞれの家庭の事情があるなかで、子供の人生を考えたときに、トータルでどちらが良いかを考えることが大事です。あなたの家庭でいえば、再婚によって、中学3年生と小学6年生の2人のお子さんの自立が進むということも考えられるでしょう。
受験に重なっていないか時期は慎重に考える
大事なのは、あなたがおっしゃるように「時期」だと思います。少し気になったのは、息子さんと娘さんそれぞれが、来年、新しい学校へ進学するということ。特に息子さんは、高校受験が迫っています。受験期は神経質になりますので、反抗期も重なる息子さんに寄り添うことが大事になるでしょう。
相手のお子さんも高校生とのことですので、大学受験などと重なっていないか、時期は慎重に選んでください。お子さんが反発するようであれば、将来に禍根(かこん)を残すことにもなりかねないので、相手にそのことを伝えて、慎重に時期を検討する必要があるでしょう。
経済的な理由より子供への愛情を伝える
経済的なことで急いでいる場合は、そのときほど丁寧な説明が必要です。「養育費がかかるから再婚した」ということが強調して伝わると、子供は「自分たちを学校に行かせるためにお母さんが無理して再婚した」と思い込みます。そしてこの先、何か家庭でうまくいかないことがあったときに、それを言い訳に、子供たちが新しいお父さんのみならず、お母さんにも反発する可能性もあります。
子供たちに再婚を説明する際に、現実的には経済的な理由があったとしても、「二人の子供の未来を大切に思っている」という愛情が根底にあり、それが再婚という形になった、ということをしっかりと伝えるほうが良いと思います。
相手の高校生の息子さんに対しても同様です。新たな家族として良い関係を築くためにも、子供たちが納得できるような話し合いの場を設けましょう。
今は中学生と小学生ですが、子供はすぐに大人へと成長します。愛情がしっかりと伝われば、多少波風が起きても、子供たちはいずれ大人になって理解していきますので、あなたが考えて出した結論と選択に自信をもって臨みましょう。もう大丈夫!!
(「Are You Happy?」2023年1月号)