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ふるさと納税の実態は〝公共事業〟地域産業を補助金で支えるツケは国民に〔幸福実現党党首 釈量子のキッチン政経塾〕

ふるさと納税が大はやり

「ふるさと納税」が大はやりです。ブランド肉や、お米、魚介、フルーツ、旅行券、電化製品、日用品……仲介サイトは「産直カタログ」のようににぎやかです。
ご存じの通り「ふるさと納税」とは、現在住んでいる自治体に納めるはずの税金の一部を、他の自治体に「寄付」すると「返礼品」が送られてくるという仕組みです。
2008年に、菅義偉官房長官(当時)の肝いりでスタート。当時の寄付総額は81億円でしたが、今や118倍に膨れ上がり、現在(2022年度)では寄付総額は9600億円を超え、利用者も890万人となりました。
納税者(*1)の約14.9%がこの制度を利用していることになります。

*1 個人住民税(所得割)の納税義務者数の約5978万人から推計。

自治体間でパイの奪い合い

管轄する総務省は「生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度です」とうたっていますが、多くの人は「縁のある地域」ではなく、魅力的な返礼品を提供している自治体に寄付をしているのが実態です。ここ数年、「ふるさと納税」をしているという友人に話を聞くと、「桃や伊勢海老などおいしいものを家族で楽しんでいる」といいます。本来納めるはずの税金で、好きなものが手に入るというオトクな感覚が受けているのでしょう。「寄付」ではなく、「納税」と名付けることで高い税金を無駄に払わないですむという印象も与えています。

つづく

本誌では上記の続きと、下記の記事をお読みいただけます
▶実態は「新たな公共事業」

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