ぽっこりお腹解消法

「ダイエットしても、お腹だけ痩せない」「痩せているのに、下腹だけ出ている」……。

そんな悩みを持ちつつも半ばあきらめ気味の方は多いのではないでしょうか。

しかし、放置していると、健康面にもさまざまな問題が。

そこで、毎日の生活に気軽に取り入れられる、ぽっこりお腹をへこます方法を3人の専門家にうかがいました。

 Part1 まずは原因&対策を知る ぽっこりお腹タイプ診断

ぽっこりお腹といっても、体形や肉のつき方は人それぞれです。

アンチエイジング専門医である河野克典先生に、ぽっこりお腹を3つのタイプに分け、特徴や対処法を教えてもらいました。

皮下脂肪ぽっこり

□ お腹~太ももが太い洋ナシ体形
□ お腹の肉がつまめる

お腹の肉が厚くなり、手でぎゅっとつまめる人は、皮膚の下に脂肪がついているタイプです。

特に女性は、お腹から腰、大腿部にかけて脂肪がつきやすい傾向が。

皮下脂肪は時間をかけて徐々についていくものなので、落とすのにも時間がかかってしまいます。

放っておくと……
皮下脂肪の細胞はあまり大きくならず、脂肪そのものは悪さをしませんが、体が重く何事も億劫になってしまいます。
膝や腰などを痛める危険性も。

内臓脂肪ぽっこり

□お腹が丸く出ているリンゴ体形
□お腹がパンパンで張っている

お腹周りが丸く張っている人は、内臓に脂肪がついているタイプです。
このタイプは特に男性がなりやすい傾向があります。
しかし女性も更年期に入ると内臓脂肪がつきやすくなるため、場合によっては皮下脂肪+内臓脂肪の複合型の肥満になってしまうことも。

放っておくと……
内臓脂肪の細胞は大きくなります。
脂肪から悪玉ホルモンが分泌され、心筋梗塞や糖尿病、高血圧、がんなどの病気のリスクを高めることに。

内臓下垂ぽっこり

□太っていないのに下腹だけ出ている
□姿勢があまり良くない

一見痩せているのに下腹だけがぽっこり出ている人は、内臓が本来ある位置から下がってしまっているタイプ。
姿勢が悪かったり、内臓を支える筋肉が衰えていたりするとなりやすい傾向があります。
内臓に脂肪がついて重くなり、下垂してしまう内臓脂肪との複合型も。

放っておくと……

内臓が圧迫され、便秘や下痢、胃もたれの危険が。
また婦人科系では、子宮などの骨盤内臓器が膣から出てしまう病気につながります。

実はぽっこりお腹は放っておくと危険!

ぽっこりお腹の原因の一つである脂肪。

その役割は、飢餓状態に陥ったときのために栄養を溜め込んだり、体温を保持したり、内臓を保護することだと考えられていました。

しかし最近は研究が進み、脂肪にはそれ以上の役割があることが分かってきています。

というのも、脂肪は600以上のホルモンを分泌しており、まるで一つの臓器のようなのです。
 
通常、健康な状態の脂肪細胞は、食欲を抑えてエネルギーを消費する抗肥満ホルモンを分泌します。

脂肪が増えすぎて脂肪細胞が大きくなると、抗肥満ホルモンの働きを抑制する物質が分泌され、さらに肥満が進むことに。

放置すれば、動脈硬化を抑制するホルモンの分泌が減ったり、糖尿病を悪化させる悪玉ホルモンが分泌されるようになってしまうのです。

また、もう一つの原因である内臓下垂も、さまざまなリスクがあります。

腸には約1億個もの神経細胞があり、体全体の免疫細胞の約7割が集まっています。

その腸が常に上から押しつぶされる形になるため、免疫力が落ちてウィルスに感染しやすくなったり、アレルギーが出やすくなったりするのです。

また腸は、美肌をつくるビタミンBや、精神に影響を与えるホルモンの分泌にも関わっているため、美容やメンタル面に悪影響が出ることも。
 
こうしたリスクを回避し、生涯現役で活躍するためにも、ぽっこりお腹を防ぐ生活習慣を身につけていきましょう。(つづく)

本誌では上記の続きと、下記の記事をお読みいただけます
▶ Part2 ながらでできる簡単ストレッチ
▶Part3 食材の“置き換え”でぽっこりお腹に効くレシピ

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