娘の本音トークー「ありがとう」から「ごめんね」まで

さまざまな人生を歩んできた親子3組が登場し、「娘の立場」から父への本音を語ります。苦悩や葛藤を乗り越えて深まった、親子の絆に注目!

”山あり谷あり”Aさん親子
いつも仲良しBさん親子
目指せ!エリートCさん親子

どんなに仕事が忙しくても……

 皆さん、お父さんとの思い出ってありますか?
 私は5歳のときに両親が離婚して、父に弟と一緒に引き取られたんです。小さいころは母親がいない寂しさを感じさせないくらい全力で遊んでくれて、サンドスキーをやったときに、父が骨を折ってしまったこともあるくらい(笑)。
 子供と一緒に全力で遊んでくれるってうれしいですね。私の父は平日はいつも終電で帰ってくるくらい忙しく働いていましたけど、やっぱり休日などはレストランや遊園地など、いろいろなところへ連れていってくれました。
 私の父は忙しい仕事の合間をぬって、勉強をよく見てくれたんですが、少し厳しくて(笑)。参考書をたくさん買ってきて、まるで家庭教師のように「1週間で20ページやってみよう」とか、「K大学目指して頑張ろう」といった感じで。テレビも制限されていたんですけど、父の期待に応えたくて必死で勉強していました。
 教育パパですね! 

 そのかいあって某有名高校に進学できたんですが、お嬢様の多い環境に馴染めず、勉強や人間関係で葛藤が絶えなくて、高校2年生のときに転校したんです。
 お父さんには相談したんですか?
 父は転勤で四国に単身赴任していたので、電話で「高校生活がつらいから学校を変えたいです」と、素直に気持ちを伝えました。教育熱心な父なので、「きっと許してくれないだろうな。怒られるかな」って思っていたんですけど、私の気持ちを全部受け止めてくれて。そのとき初めて、「たとえ勉強ができなくても、父は私を愛してくれていたんだ」と気がつきました。
 親心ですね。
 厳しかったのも、私の将来を思っての“愛”ゆえだったんだなと感じます。

働く父から受けた影響

 私の父は理容師なんですけど、背中で教えてくれたことも多かったなぁと思います。いつも笑顔でお客様の髪をカットしている姿を見て、「仕事って楽しそう。早く仕事がしたいなぁ」と自然と思えて。
 aさんも理容師に?
 父の影響で自然と美容に興味が湧いて、今は都内でネイリストの仕事をしています。お客様と接するときはいつも父のように、笑顔で親身になって話すように心掛けているんです。最近は、お客様から恋愛や仕事の悩み相談を持ちかけられることも増えて、愛称をつけて慕われるまでになっちゃって(笑)。
 仕事を楽しめるって重要ですよね。私は就職で悩んでいたときに、気になっていた職業が父と同じシステムエンジニアだったこともあって、父にはたくさん相談に乗ってもらいました。

 お父さんが就職相談に乗ってくれるなんて、心強いですね。
 そうなんです。父が「すごく楽しいよ」って、システムエンジニアの魅力をたくさん教えてくれたおかげで、最終的に進路を決断できました。就職してからも、困ったときは的確なアドバイスをくれるのでありがたいです。

葛藤はゼロじゃない!?

 今はすごく仲良しですが、思春期はやっぱり反発してしまったこともありました。父は幸福の科学に入信していて、私も小さいころから信じていたんですけど、父の言うことはいつも正しすぎて、父が見せてくれる「正しい世界」とは違う世界も見てみたくなったんですよね。学校も校則が厳しくて窮きゅう屈くつに感じ、繁華街で友達と毎日遊ぶようになり、結局、高校も中退してしまって。高校2年生の夏ごろからは、家にも帰らなくなってしまったんです。
 そうだったんですか!
 約2年間音信不通にしていたんですが、当時、祖母が警察に失踪届を出そうとしていたのを、父は「必ず気づくときがくるから大丈夫」と引き止めて、探しながらも失踪届は出さずに待ってくれていたとあとから知りました。
 aさんのことをずっと信じてくれていたんですね。
 そうなんです。実際、最初は遊んでばかりいる日々が楽しかったものの、だんだんそんな毎日に疑問を感じ始めて。父が教えてくれていた“本当の幸福感”を感じる「正しい世界」に戻りたいって思うようになりました。
 それで無事、家に戻られたんですか?
 家に帰る勇気はまだ出なかったんですけど、「このままじゃいけない」と思ってアパレルでアルバイトを始めました。そしたら、私の親友からバイト先を伝え聞いた父がある日、職場まで会いにきてくれたんです。勝手に出ていって以来2年ぶりの再会だったのに、父は一切私のことを責めずに、ただ「いやーよかったよかった」って笑っていて……。「お父さん、心配かけるようなことしてごめんなさい」って、涙が止まりませんでした。

 “父の恩は山よりも高く”とも言いますけど、父の愛は偉大ですね。
 女性にはない男性ならではの“強さ”や“優しさ”に溢あ ふれているというか。
 私も、「bちゃんの人生なんだから、自分で決めなさい」と、いつも私の気持ちを尊重してくれた父を心から尊敬しています。自分が母親になってわかったのですが、親とはいえ、子供のことを無条件に信頼するのは簡単なことではありませんから。

父と娘の〝深い縁〟

 私は大学生のときに友達から教えてもらって幸福の科学の信者になったんですけど、社会人1年目の夏に「出家」を志すようになったことがきっかけで父とぶつかって。
 出家って、幸福の科学で働くということですか?
 そうなんです。私も神様の仕事のお手伝いがしたいと思うようになって。当時勤めていた会社を退職して、四国で暮らす父に「出家します」と電話で報告したら、「出家ってなんだ? 家を出るつもりか!? 考えを改めなさい」って、毎週飛行機で東京まで説得しにくるほど猛反対されました。
 一緒に暮らしていなかったから、余計に心配だったんでしょうね。出家はあきらめたんですか?
 それが、父に認めてもらえず悶もん々もんとしていたある日、「私には人を説得する力なんてないんだ」と、自分で自分を信じられていなかったと気がついて。それで、「自分を信じよう」と考えを変えたら、あれほど
反対していた父から「出家していいよ。頑張りなさい」って電話がかかってきたんです。
 すごい! 繋がっている感じがします。
 「私が“ 自己確信”を得られるまで、父は待ってくれていたのかもしれない」と思えたりして。スピリチュアルな縁を感じました。
 私も「bちゃん大好き」、「パパ大好き」と、大人になった今も伝え合うほど、大好きな父とは深い縁を感じずにはいられないですね。
 幸福の科学では、「子供は親を選んで生まれてくる」という教えがありますが、私は人に影響されやすい性格なので、だからこそ父のような厳しく教育してくれる方の娘として生まれてきたのだと思っています。
 “父と娘の縁”って、想像以上に深いのかもしれませんね。私も人生を生きる上で道しるべとなる「信仰」を伝えてくれた父が大好きです。来世も父の娘として生まれたいと思うくらい。ちょっとしたことでケンカになることって、大人になってもありますけど、そんなときは、深呼吸して心の中で「1、2、3」と数えて心を落ち着けてから、「大好き」とか「ありがとう」と、ポジティブな言葉を伝えています。
 改まって「大好き」と伝えるのはちょっと照れくさいけど、さっそく今日から私も実践してみます!

(「Are You Happy?」2017年7月号)

印刷する