子供だって、いろいろ大変だ
4月に進級・進学した子供たちも、ひと月が過ぎて、そろそろ新しい環境にも馴染んだころでしょうか。お子さんたちは変わりなく学校に通っていますか? この時期、心配性の親でなくても、子供の「行ってきます」や「ただいま」の声にいつもの元気がなかったりすると、「何か悩んでいるのかな」「勉強が大変なのかな」「いじめにあっていないかな」と心配になるものです。”獅子はわが子を千尋の谷に落とす”と言いますが、できることなら、わが子に苦労やつらい思いはさせたくないものです。それが親心です。
しかし、よくよく考えてみると、何も起こらない平坦な人生など、どこにもありはしません。波乱万丈とまではいかなくても、誰の人生にも、山があり谷があり、越えなければならない試練があるものです。学校という小さな社会の中でも、子供なりの苦労はあります。仲の良かった子と別のクラスになる。苦手な子と同じクラスになる。成績が下がる。部活で活躍できない。自分や家族が病気になる。お父さんの会社が経営危機になる。突然、自然災害がやってくる……。それは特別なことではありません。私はこの中の5つを20才までに経験しました。子供は、こうした問題を乗り越えたり、忍耐したり、環境の変化に慣れたりしながら、少しずつ少しずつ強くなって、大人になっていくのだと思います。
大切なのは、何も起こらない運命を願うことではなく、わが子が、人生の問題や悩みに遭遇したときに、それを乗り越える力をつけさせてあげることです。挫けそうになっても立ち上がる力を与えてあげることです。では、どうすればそんな力を与えられるでしょうか。
自分を信じる力の根っこにあるもの
人間は、つらいことや苦しいことがあっても、自分を信じることができれば、乗り越えて、成長していけます。そして、問題を乗り越える度に、自分を信じる力=「自信」は強く深くなり、自分を支える力になっていきます。
では、自分を信じる力の根源にあるものは何でしょうか。それは、自分が神の子・仏の子だという確信です。「自分は、神様から光や力や知恵や愛を与えられた存在なんだ。それはとても素晴らしい力なんだ」ということを知っていれば、たとえへこたれそうになっても「自分の中には素晴らしい力がある。だからきっと頑張れる! 切り抜けられる! 神様が応援してくれている!」と信じて立ち上がれるのです。
反対に、「どうせ自分なんて、ちっぽけな存在なんだ」「弱い人間なんだ」と思い込んでしまったら、周囲がどんなに叱咤激励しても、なかなか立ち上がれなくなってしまいます。また、怠けてばかりいたり、ズルをしたり、人を悲しませるような生き方をしていたら、決して自信は生まれません。「こんな自分を神様が応援してくれるはずがない」と、心の奥で分かっているからです。
だから、いつも神様に応援してもらえるような自分でいようと、日々努力することが大切です。きれいな心で頑張っていたら、困難な状況の中でも、必ず神様の光が心に差して、道を切り拓いていけるのです。わが子への大きな愛として、どうか、神様を信じる心と、神様に応援してもらえるような生き方を教えてあげましょう。
(「Are You Happy?」2019年6月号)