ストレスで眠れなくなるメカニズムとは
人の血液の循環や呼吸、消化などをつかさどる自律神経は、身体を活動的にさせる「交感神経」と、身体を落ち着かせる「副交感神経」で成り立っています。
ストレスを感じるとHPA-Axis(視床下部、脳下垂体、副腎皮質)が「コルチゾール」というホルモンを出して身体を活動的にするのですが、ストレスが強くかかるとコルチゾールが増えすぎないよう調整するフィードバック機能がはたらかなくなり、夜中も興奮状態になって眠れなくなる場合が。
ストレスとの付き合い方は、快眠にとって重要です。
【交感神経】
■どんなときはたらく?
・活動しているとき
・緊張しているとき
・ストレスがかかったとき
■どんなはたらきがある?
・呼吸が浅くなる
・筋肉が緊張する
・体温が高くなる
・消化が抑制される
【副交感神経】
■どんなときはたらく?
・休憩しているとき
・リラックスしているとき
・眠っているとき
■どんなはたらきがある?
・心臓の拍動がゆるやかになる
・呼吸が深くなる
・筋肉がゆるむ
・体温が低くなる
・消化が促進される
快眠のための身体のつくり方
ポイントは「深部体温」
女性は冷え性の方も多いですが、体温は睡眠にも影響が。脳や身体の中心の温度は「深部体温」と呼ばれ、夕方から夜にかけて少しずつ体温が下がることで、人は眠くなるといわれています。元の体温が低いと温度の下がり幅が少なく、寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めるなどの睡眠障害が起きるのです。身体の深部まで温めることで体温の下がり幅が広がり、スムーズに入眠できます。
体温を上げる快眠メソッド
・適度な運動の習慣をつくって筋肉をつけ、基礎体温を上げる
・人の体温がもっとも上がるのは起きてから11時間後。
この時間帯にウォーキングなどの軽い運動をする
・ぬるめのお風呂に適度(10~20分)に入る
・寝るときは頭を冷やし、足を温める“頭寒足熱”を
快眠のための心のつくり方
ポイントは「ストレスコントロール」
睡眠障害を治すためにどんな治療をしても、最終的には心やストレスのコントロールができていないと不十分です。安易に睡眠薬などに頼りすぎると、依存体質になることも。深層心理が暗い方向を向いていると熟眠不良や悪夢障害にもつながるので、日中は不安やストレスを溜めすぎず、いつも明るい気持ちでベッドに入るように心がけましょう。
ストレスをケアする快眠メソッド
・寝る前に、1日の良かったことや反省点、気づきをメモする「反省ノート」をつくる
・瞑想などによって、心を静かに落ち着ける時間を持つ
・寝る1時間前はインターネットやSNSを見ない
・いつでも自分の心を取り戻せるような、お気に入りの本や音楽を持つ
(「Are You Happy?」2016年12月号)