つい先日、73歳になる母がアルツハイマーだと診断されました。
母は、中小企業の経営をしていた父が40代で病死して以来、会社を継ぎ、私と妹を女手ひとつで育ててくれました。しかし、忙しさのあまり家にいることはなく、私たちはほったらかし。母親として愛情をかけてもらった記憶はほとんどありません。正直、いまもどこかで母のことを恨んでいます……。
現在、母は隣町でひとり暮らしをしており、私は週に一度、顔を見に会いに行く程度。10年ほど前からは、私が会社を継いでいます。私自身、多忙で母の面倒を看るのは難しいため、母を老人介護施設に入園させようと考えています。ですが、ときどき「親不幸なのではないか」と、自分を責めてしまいます。また同時に、子どものころの満たされなかった気持ちが混在し、複雑な心境です。私の選択は間違っているのでしょうか。アドバイスをお願いします。
(42歳・女性・未婚・会社経営)
この問題から何を学ぶのか
問題のカギは、「介護施設に入れるという選択が正しいか、間違っているか」ということではなく、「お母様に対するあなた自身の思いをどうするのか」ということだと思います。過去の恨みを引きずり続けるのか、それとも母娘の絆を取り戻し、未来に向かうのか、ということです。
世の中には「介護地獄」という言葉もあるので、手に負えないほど酷くなったら、もちろん施設の力を借りないと無理でしょう。しかし、お手紙からは、そこまで重症という感じは伝わってこず、失礼ながら、母親と向き合いたくない心が入園を選択させているようにも感じられるのです。
お母様の病気は、あなたにひとつの反省の機会を与えてくれているのだと思います。これを機に半生をふり返り、「なぜこの人生を選んだか。ここから自分は何を学ぶべきか」を考えてみてください。これはあなたの人生の問題集です。この世は魂の学校なので、人は生まれてくる前に「今回私はこういう問題を解いて魂を成長させたい」と計画してきます。ですから「早くに父を亡くし、母親が経営で多忙」という家庭環境も、あなた自身が決めてきた教材なのです。
与えてもらった愛を思い出そう
あなたが会社を継げたのは、お母様が頑張って会社を存続させたからです。経営者の重責、孤独は、何より経営者のあなた自身がいちばんわかっているはず。しかも経営に加えて女手ひとつでふたりの子育てをした点、相当のご苦労がおありだったでしょう。あなたがお母様の立場だったら、同じことができるでしょうか?
子どもの目には、大人の事情はわかりません。今、改めてひとつひとつ年代を追いながら、お母様の立場にも立って、母娘の関係を見つめていきましょう。ランドセルを選んでくれた、本を買ってくれたなど、ささやかなことの中に込められた、お母様の気持ちを汲み取ってみてください。
いつかは去るこの世――
できるだけ優しい思い出を残そう
自宅介護にせよ施設介護にせよ、必要なのはやはり「愛」や「やさしさ」です。地上世界は、ひとときの思い出。そしてこの世を去るときに、「ああ、もっとやさしくしておけばよかった……」と後悔する人は多いのです。
最後に、幸福の科学グループ総裁、大川隆法先生の教えを、あなたに贈ります。一筋の救いの光を、感じていただければ幸いです。
心から愛していると…
けんか別れして、
相手を愛していたことに、
初めて気づく人がいる。
離婚して、妻のいない空虚さに、
驚く夫がいる。
さんざん、ののしって、
ホッとした後、
夫の偉大さに気づく妻もいる。
子供を亡くしてから、
ほめてやらなかった自分を、
責め続ける親がいる。
みんな、よく聴きなさい。
失ってからでは遅すぎるのだ。
愛しているなら、
今すぐ、
愛しているといいなさい。
好きなら、
好きであるということを、
今すぐ、
行動で示しなさい。
永遠の後悔を残すなかれ。
生命あるうちに、
愛しているということを、
心から愛しているということを、
伝えなさい。
伝え切りなさい。
※幸福の科学の会内経典『一条の光』より。
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金澤由美子
1989年に幸福の科学に奉職し、支部・精舎・本部勤務を経て現職。その間、数多くの悩み相談を行う。