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がまんできる子に育てる親の忍耐力【子育て110番】

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泣き叫ぶわが子をどうするか?

デパートのおもちゃ売り場や、スーパーのおまけ付きお菓子のコーナーに座り込んで、「買って買ってー!」と泣き叫ぶ子をよく見かけます。
もしもわが子がそんな行動をとったら、みなさんはどう対応しますか?

 
どうしていいかわからず、自分も子どもと一緒に動転してしまい、だんだんイライラしてきて、突然切れてわが子を怒鳴る。

一度は「ダメ」と言いながら、周囲の人の目が気になるので(あるいは、泣いているわが子がかわいそうになって)、子どもの機嫌を取るために「じゃあ買ってあげるから」と折れてしまう。

「欲しいの? でも今日は買わないってお約束でしょう? がまんできないかな? でもがまんしましょうね……、がんばろうね……、わかるかな?」と、延々と説得し続ける。

 
ママたち、苦戦していますよね。

①は、子どもに負けてはいけないと内心わかっているけれど、うまい声がけの方法を知らず、最後は感情的に制圧してしまうパターンですね。

②をいつもやっていると、「大人なんてちょろい。泣けば言うことを聞いてくれる」ということを、子どもに学習させてしまいます。「何でも自分の思い通りにならないと許せない」という、がまんのできない子に育ててしまう可能性があります。これは、子どもをいちばん苦しめるパターンです。

③の、言葉だけで延々と説得するという方法は幼児を混乱させます。幼児の未熟な理解力では、大人が「いい」と言っているのか「ダメ」と言っているのかがわからなくなるからです。

 

カッコイイあきらめさせ方

オススメは、次の④の方法です。

子どもが「買って買って」と泣いたら、落ち着いた声で即座に「今日はそういうお約束をしていないよ。ダメなものはダメ。泣いても一緒だから、さあ、行きましょう」と、大人が判断してあっさり解決してしまい、子どもの手を引いてその場を離れます。勝負は1分以内です。その後、1~2時間泣き続けても何も問題はありませんので、イライラして「泣きやみなさい!」なんて叱らないで、「よしよし、涙がもったいないから泣かない泣かない。さあ、大根さんとニンジンさんを買おう」と鷹揚に構えていてください。この日の教育効果は、次かその次のお買い物のときに現れます。

 

わがままの炎が子どもを苦しめる

がまんのできない子は、一日に何度も燃え上がるわがままの炎に苦しみ、常に不満感で心がいっぱいで、集中力も学習能力も下がります。些細な欲望にふり回され、おだやかで満ち足りた心境からどんどん遠ざかり、苦しみ続けます。それはとても可哀想です。

わがままに育つかどうかは、子どもの性格の問題ではありません。大人の教育力の問題です。大人が筋の通った教育の姿勢を示すことで、子どもをムダに苦しめることなく、素早くあきらめさせ、心を楽にしてあげましょう。

泣き叫ぶわが子を前に、揺れそうになる感情をぐっとこらえ、落ち着いてわが子を教育できるかどうか。大人としての立派な姿勢を貫けるかどうか。まずは、親の忍耐力が試されます。

Illustration by Mika Kameo

 
(「Are You Happy?」2014年3月号)

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奥田敬子 

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。

 

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