法則1 笑顔をつくる
ニコニコしている人は人を引きつける
私は、以前、会社で仕事をしていたときに、けっこう折衝の仕事を多くやっていたのですが、相手を訪問する際には、「これ以上、景気のよい顔はない」という顔をして入っていきました。
おもしろいことに、不景気な顔をして入っていくと、人は寄ってきませんが、ニコニコして入っていくと、ほんとうに人が寄ってくるのです。
これは商売の秘訣であろうと思います。また、商売だけではなくて、人間関係の秘訣でもあると思います。
とにかく、人間は、笑顔の人を見て敵意を抱くことは難しいのです。これは鉄則です。
ニコニコ笑っている人を見て、その人に悪口を言っていたら、自分のほうが、よほど悪いように思えます。
それでも顔色を変えずにニコニコされたら、もう、かないません。ギブアップになります。したがって、「笑顔は敵意を抹消する最大の方法である」ということが言えます。(『コーヒー・ブレイク』より)
法則2 相手の話を聴く
相手の話をよく聴くと相手を理解できるようになる
相手を愛せないときは、相手を理解できないときです。
理解できた相手のことは、愛することができます。また、「自分は理解された」と思った人は、「自分は愛された」というように感じるのです。
相手の話をよく聴いてあげると、相手を理解できるようになります。
家庭においても、ほかには何もしなくても、ただ相手の言うことをよく聴いてあげるだけで解決する問題は、たくさんあります。
「奥さんが、いろいろと悩みを抱えていて、なかなか解決できない」という場合であっても、何のことはない、「ご主人が、二、三時間、奥さんの話を聴いてあげたら、それで終わり」ということだってあるのです。
したがって、相手を理解するためには、聴く能力を高めることです。
「相手の話を聴いてあげよう」と思うことも、愛の心なのです。(『ティータイム』より)
法則3 ほめ言葉を使う
ほめ言葉をかけるには一円も要らない
ご主人が、きょうは、いつもより十分早く帰ってきたなら、ほめてあげればよいのです。十分早く帰っただけでも、「あなた、きょうは早く帰ってきたわね。お仕事、頑張ったのね」と、一言、言ってあげれば、ご主人は、「そうか。やはり、段取りよく仕事をして、早く帰ったら、妻も喜ぶのだな」と思い、喜びます。
そういう、ちょっとした、些細なことでもよいのです。
人は、自分に対して言われた悪い言葉は何十年でも覚えているものですが、ほめ言葉も、また、覚えているものです。少し怒られても、十年間ぐらい覚えているし、少しほめられても、十年間ぐらい、ほめられた気になっているものです。
しかし、その言葉は、ほんとうは、ほんの一瞬のものなのです。その一瞬の効果は大きいわけです。
人間関係を良好にし、幸福な方向へ導くには、一円のお金も要らないし、汗水垂らして努力する必要もないのです。
必要なのは、心の態度を変えること、そして、具体的な、ささやかな好意を示してあげることです。それが大事です。(『コーヒー・ブレイク』より)
法則4 相手を完全否定しない
「この人にも、よいところはある」と思っていると、相手にも伝わる
自分を評価してくれない人や、自分にとって気に入らない人が、出てくることもあるでしょう。
しかし、そうした人を、全部、駄目だと思わないようにし、気に入らない場合であれば、その人のどこが気に入らないのかを分析することが大事です。
「この部分はどうも肌が合わない。自分としては受け入れがたい」と感じたとしても、他の部分を見て、「この人にも、よいところはある。こうしたところはよい」と思っていると、その思いは相手に伝わります。
相手は、「自分は全面的に否定されているのではない。この人は、自分のこの部分を嫌っているが、他のところはよく思ってくれている」と感じるのです。
すると、相手の人は自分を変えようとしはじめます。
「この人と話すときは、ここを控えればよいのだな」ということが分かるので、相手が変わってきて、そのよいところが出てくるようになるのです。
これは、知らず知らずのうちに、相手の変革を促していることになります。
「この人にも、よいところはある」という見方をすることによって、相手を変えうるのです。
しかし、「嫌いだ」と拒否してしまえば、取りつく島がなく、どうしようもありません。完全拒否しないことが大事なのです。(『コーヒー・ブレイク』より)
法則5 嫉妬心を抑える
嫉妬心を感じる相手は実は自分の「理想像」
自分が嫉妬を感じる相手は、ほんとうは、自分自身の「理想像」なのです。
理想像であるその人を嫉妬しているかぎり、幸福にはなれません。それは、相手に“呪いの矢”を撃っているようなものなのです。
「あの人は、うまいことをやっている。許せない」
「お金儲けをしている。許せない」
「ビルを建てている。許せない」
「親が偉い。許せない」
などと思い、呪いの矢でパシーッと撃ち落とそうとしているのです。
そういう人は、付き合いたくない“種族”です。
それでは人脈ができないでしょうし、徳もないので、「友達はできず、支えてくれる人もいない」ということになってしまいます。
成功している人を見たら、まず、それを理想像として祝福することが大切です。人間は、自分が理想化し、肯定し、祝福した相手に、必ず近づいていきます。自分が目標として心に描いている人や、人生の目標に向かって必ず近づいていくものなのです。(『ハウ・アバウト・ユー?』より)
(2011年12月号)
参考書籍はこちら