40歳での俳優デビュー
病に倒れた主人公・御祖真が絶望を乗り越え、使命のために力強く立ち上がる姿を描いた感動作「世界から希望が消えたなら。」。もともと総合プロデューサーとしてこの作品に関わっていた竹内久顕さんが主演を務めることになったのは、クランクインの1年前だった。
「この映画は、製作総指揮を務められた大川隆法総裁の実話をもとにしたフィクションなので、やはり総裁を知っている人が演じたほうがいいのではというお話をいただいたんです。私自身、10数年総裁秘書をやらせていただいて、病気になられたときも、病から復活されて命がけでご巡錫をされる姿も実際に見てきた〝生き証人のひとり〟でもありましたので。
ただ、脚本を読んだときから、この役を演じるのはプロの俳優でも難しいんじゃないかと感じていたので、〝ど素人〟の私が演じるなんてとても無理だと思いましたし、何かの間違いだろうと思ったほどです。でも最終的に、赤羽博監督からも、〝宗教的な理解が深い人でなければ、この役は演じられない。演技のところは僕も見るから〟ということで、クランクインの8カ月前に正式決定しました。そのときはもう完全に肚を決めていましたね」
40歳での思いもかけない本格的俳優デビュー。プロの俳優でもできるかと懸念される難役への挑戦の日々が始まった。
「千眼美子さんに聞くと、〝実地で経験を積むしかない〟ということだったので、週に2~3回、外部のワークショップに通うことにしたんです。仕事はこれまでと同じようにやりつつ、夕方3時間だけ抜けて演技レッスンを受けて、終わったらまた戻って仕事をして。仕事量は減らないし、逆に増える一方だったので、朝まで仕事をする日もけっこうありました」
演技の基礎を学ぶ日々
約2カ月のワークショップを終えてからは、赤羽監督の指揮のもと、演技講師から「演技の基礎」と「舞台演技」を。最後の2カ月間は、映像演技専門の講師に、映像演技の幹になる部分を学び、〝自然な演技〟を技術的に身に着けていった。
「役を深めるために、演技レッスンのほかにも、1日1冊は本を読むと決めて、空いた時間や家に帰ってからも、ずっと本を読んでいました。あの頃は、寝ても覚めても御祖真のことを考え続けていましたね。たぶん、人生で一番努力した1年だったと思います」
必死に努力を続ける中、多くの人の協力や素晴らしい講師との出会いにも恵まれ、ぐっと演技力が上がった手ごたえがあった。しかしそんなとき、大きな壁に突き当たる……
続きは本誌でお読みいただけます
▶ 演技者ではなく、〇〇〇として役を演じる
▶ 脚本に込められた言霊の力
▶ 戦いのシーンの裏話
▶ 本当の奇跡の始まり
【MOVIE】「世界から希望が消えたなら。」
10月18日(金)より全国ロードショー
ベストセラー作家で出版社も経営する御祖真。妻や3人の子供にも恵まれ充実した日々を過ごしていた彼には、誰にも言えない秘密があった。そんなある日、激しい心臓発作に襲われてしまう。緊急搬送された病院で医師から告げられたのは、無常にも死の宣告だった――。