今月も大川隆法総裁の著書『じょうずな個性の伸ばし方』を、奥田先生と一緒に学んでいきます。
イライラや怒りの発生原因
「子育てで失敗する場合、その原因のほとんどは、母親が、自分が犠牲になった部分の代償を子供に要求しているか、夫に対する不平不満を子供にぶつけているかのどちらかです」
これは、『じょうずな個性の伸ばし方』の「子育てQ&A」で、「子どもに対して怒りが収まらない」と悩むママへの、著者からの解答の中の一文です。
日々の子育てで、イライラしたり、わが子に怒りを募らせたりしているママが結構います。こんな精神状態ではいけないと思いつつ、どうしてもイライラや怒りが抑えられない……。
このイライラ、怒りの正体は、一体何なのでしょうか。
子どもは私の「成績表」
こうした悩みを持つ方は、ママ自身が優秀な女性である場合が多いようです。子どものころは学校の成績が良く、まわりからも褒められ、社会に出てからはキャリアウーマンとして活躍し成果も上げてきた。そういう女性が、自分のキャリアを捨てて家庭に入り、家事や子育てに自分の時間を捧げるようになると、今度は、子育てで優秀な成果を出そうとし始めます。そして、わが子に相当のプレッシャーやノルマをかけてしまうのです。
しかし、まだ幼く未熟な子どもは、当たり前ですが、優秀なママの要求レベルに達することができません。あるいは、子どもがママとは違う個性の花を咲かせるタイプである場合、なかなかママの要求通りの成果を上げないわけです。
そこで、「うちの子はどうしてできないの!」「どうして私の思い通りに成長しないの!」というイライラや怒りが発生するのです。
有償の愛? 無償の愛?
真実の愛を表す言葉に「無償の愛」という言葉があります。与えても見返りや代償を求めない、与え切りの愛のことです。「これだけのものを与えたのだから、これだけのものを返せ」と言わない愛です。
子育てに成果を求めたら、それはもう無償の愛ではなく、有償の愛になってしまいます。「あなたのためを思ってやっているのよ」と言いながら、心の奥で成果や見返りを求めてしまったら、親も子も共に苦しむ結果になります。
本書は、こんなママたちに新しい視点、新しい価値観を提示してくれます。
「自らの幸福度や成功度を、『人生で何を達成したか』で測る考え方もありますが、『どれだけの経験を積んだか』で測る考え方もあります。豊富な経験を積めば積むほど、それだけ人生が豊かになる、という見方です」
子育ては苦労が多い分、親の人生経験を豊かにしてくれます。子どもからの恩返し、子育ての見返りは、それで十分おつりがくるのかもしれません。
ポイント
優秀な女性であればあるほど、どうしても子育ての成果を欲しがる傾向があるのです。
(114ページより)
(2012年6月号「子育て110番」)
奥田敬子
早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。