小児科医として、早産で生まれた未熟児の処置を行う新生児医療にも携わっている上田隆さんに、赤ちゃんとコミュニケーションを取るにはどうしたらいいか教えていただきました。
早産で生まれた子の処置を行うNICU(新生児集中治療室)で未熟児を見ていると、その能力に驚かされます。
500グラムの未熟児でも、お母さんが毎日決まった面会時間に来ていると、その少し前の時間に目を覚まして待つようになるのです。
面会中はずっと起きていてお母さんの顔を見つめますし、話しかけると声に反応します。
おなかの中にいる赤ちゃんも、五感で外の環境を感じていることは医学的にも証明されています。
さらに、さまざまな胎内記憶の事例によって、本能的な感覚以上のことを理解しているということも分かってきました。
新生児医療に携わるようになったのは、20年以上前に「素晴らしいお産とは何か」の研究会に参加したことがきっかけです。
産婦人科の先生や助産師さんは「自然で母親に優しいお産」や「母子ともに安全なお産」などの意見を出していたのですが、私は「胎児から見た素晴らしいお産はどういうものだろう」と気になり、手を上げて質問しました。
しかしその答えは「胎児はしゃべらないから分からないし、そういうことを考えるのは科学的ではない」でした。
納得できず、悔しい思いをした私は、胎内記憶や出生前心理学について調べ始めました。
そこで辿りついた「胎児から見た素晴らしいお産」の共通点は、「パパとママに愛され、祝福されているかどうか。
自分が生まれることを喜んでもらえるか」ということだったのです。……
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▶ 赤ちゃんからのメッセージとは
▶ 胎教はどんなことをすればいいですか?
▶ おなかの赤ちゃんから5つの心のメッセージ―ママからのお返事ワークシート