
学力テストの結果に衝撃を受ける教育現場
「あまりの結果に愕然としました。学力低下の原因はタブレットですよ」
文部科学省が7月に公表した「全国学力テスト」の結果に、都内中学校のベテラン教員Mさんは語気を強めます。
今年の国語と算数・数学の平均正答率は、小学校・中学校ともに前年度を下回り、過去最低を更新しました。
中学の数学では、正答率が48.8%と初めて50%を割り込みました。国語は、昨年度の正答率が前年より11.7%も下落して衝撃が走りましたが、今年は54.6%とさらに下がって過去最低に。特に、物語を読み「自分の考えとそのように考えた理由」を書く問題では、無解答率が27.7%に上るという深刻さです。
原因はさまざまに考えられますが、Hさんが筆頭に挙げたのは、文科省が推進してきたデジタル教育の間違いです。
タブレット配布でゲームにハマる子供たち
Mさんは、「タブレットでは〝手で書く〞という機会が絶対的に減ってしまうんです」と指摘します。記憶の定着や考
えを整理するうえで、手を動かして書くという作業が非常に重要だというのは、さまざまな研究でも明らかにされています。
本誌では続きが読めます。
◇紙の教科書を使い手で書くことで学力がつく
