どうしてこの母親のもとに生まれたの?-母との関係に葛藤した読者の本音トーク

母との葛藤

「どうして私はこの母親のもとに生まれたの?」そんな疑問を抱きつつ、母との関係に葛藤した読者の本音トークです。

 私は長女なんだけど、小さいころ、すごくやんちゃだったのね。縁あって、お茶の先生の離れに住んでいたんだけど、お教室に上品な奥様方が見えるときに、野生児の私が登場するから、母はカンカンに怒って。肥溜(こえだめ)に落ちて帰ってきたときは、水で流しながら、思いっきり叩かれたね~。

 (笑)。お母さんの手に負えなかったんですかね。

 あと、やっぱり「満点を取るのが当たり前」という考え方で。そうならないと叩かれたりするから、必死で勉強したのよ。

 母親の顔色を伺うようになりますよね。

 そうそう。

 「こうすれば怒られない」と学んで、気を遣う子供になる。

 そうよね~。高校までは母の思い通りだったけど、大学は上京して、女子大生活を送りたかったの。でも40年ぐらい前だから、母は「女の子が四年生大学なんて縁遠くなる。地元の短大にしておきなさい」と反対するわけ。「大学に行くなら東大のみ」と限定されて。

 一緒です。私も母に「東大か京大、最低でも早稲田か慶応」と限定されました(笑)。それ以外は大学じゃないらしいです。

 そうそう。でも母は大学出てないのよ~。

 うちも!(笑)

 小学校卒で育ちにコンプレックスがあったのか、よく「私は弟や妹たちの子守で、おんぶをして学校に連れて行ってた」とか「畑の手伝いをしろと言われて通えなかった」と口にしていて。そういう話を聞いていると、「こういう女性にはなりたくない」と思って、上品な暮らしをしている「あの家に生まれたかったわ~」と本気で思ってました。

 「娘には優秀になってほしい」という思いがあったんですね。

 そう。小さいときから、「なんでも一番を目指せ」と言われ続けてきましたから。待ち望んでできたひとり目だったから、期待が大きかったんだと思うんですけど。

 自分で一番を目指すならいいんですけど、人から言われるとプレッシャーですよね。

 私は「とにかく母のしがらみから離れたい」と思って、反対を押し切って、東京の英語の専門学校に進学したんです。でも、結局そこは寮生活で、全然都会的じゃなかったんですけどね(笑)。そのまま東京で就職しようと思ったけど、結局、地元に戻って資格を取り、看護師になりました。

 そうですか~。

 看護に携たずさわり始めて、死後の世界に関心を持っていたときに幸福の科学の教えに出会ったんです。何層にもなるあの世の世界を知って、すごく感動しました。
でも、どうしても腑に落ちなかったのは、「親子の縁は生まれる前に約束してきた」という教え。「父を選んだ理由はわかるけど、なんで私は母を選んだんだろう?それは何かの間違いだったんじゃないか」と思ってました。

 私も! でも今では、「私は怠け者だから、あえて母を選んだのかな」って思ってますけど。

 えらいね~。私は幸福の科学の「両親に対する反省と感謝」研修を受けても、「母からしてもらったこと」が全然浮かばなくて。母はもともと体が弱く、ウツ傾向があったから、小さいころからご飯も私が作ったりしてて。「母親らしいことを何もやってくれなかった」という思いが残っていたの。
でも結局、「こうしてくれなかった」と相手を責める思いは、この世的な“親子”という立場にとらわれているから出てくるんだって気づいたのね。

 「親なのに」と責める思い?

 そう。私も息子から見たら「とんでもない母親」で、「なんでこの人を選んだんだろう」って思われているかもしれないと気づいて。
そう考えたら、親も完璧じゃないんだなって思って。母を許せる気持ちになってきたんですよ。

 おぉ~。

 お互いの修行のために、役割として親子で生まれてきたと。そう思えたら、感情に流されず、母を受け入れられるようになった。
それに、「父はなんで母と結婚したんだろう」ってずっと不思議だったの。私が母の良さを見つけられないから(苦笑)。でも最近、偶然、父の免許書を預かったとき、ケースを開いたら、母の若いときの写真が入ってて!

 おお~!

 その写真を見た途端、「ああ、父は母をこんなに好きだったんだな」って泣けてね……。

 素敵ですね~。

 1年前から母が認知症になったんだけど、父は甲斐甲斐しく世話をしていたんですよ。私は「自分のことは自分でやらせないと」って怒ってたんですけど。その度に父は、「わしは船乗りで、お母さんには一人で子育てさせたから、今度はワシが手伝ってやるんじゃ」って言ってたんです。父は今でも母を愛しているから、世話したかったんだって気付いて。改めて私も母をもっと大切にしなきゃって思いましたね。

 感動的ですね。


 
人は皆、人生で解く〝一冊の問題集”を持って生まれてくると言われています。逃れられない母親との葛藤は、自分の心を変え、器を広げるための重要な1ページ。問題から目を逸らさず、向き合った先に、本当の幸福が待っています。

 

「親子問題」で悩める女性たちへのメッセージ

今世では自分が親でも、過去世では親と子の関係が逆転していたかもしれません。あるいは、わが子はかつての師だったかもしれません。そうしたことは、いくらでもあります。「魂修行のために、今世ではたまたま自分が親をやらせていただき、かつては親や師だったかもしれない方に子供をやっていただいているのだ」という考え方が大事なのです。

『「幸福になれない」症候群』第3 章(p.169)より

幸福に慣れない症候群

『「幸福になれない」症候群』
大川隆法 著
幸福の科学出版

 
(「Are You Happy?」2015年10月号)

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