脱 大人のひきこもり「8050問題」を考える【2019年9月号】

大人のひきこもり

「大人のひきこもり」への社会的関心が高まっている。
ひきこもりになる原因や脱出方法、周りの人の正しい接し方を探った。

 今年5月に神奈川県川崎市で、長期間のひきこもり傾向にあった容疑者(51歳)が小学生を含む20人を殺傷する事件が起きた。それに続いて、東京都練馬区で、ひきこもりの長男(44歳)が同様の事件を起こすことを恐れた父親が、長男を殺害するという事件も発生。こうしたなかで、中高年のひきこもりが社会問題として注目されつつある。

 3月に発表された内閣府の調査では、40~64歳のひきこもりは61万人に上ることが分かった。この数字は15~39歳の54万人(2016年)よりも多く、ひきこもりの高齢化が指摘されている。10代、20代のころから長期間ひきこもり状態が続いていることも少なくなく、その親が現在70代、80代となって、生活が立ち行かなくなるケースも増えており、「8050問題」と言われている。

 フリースクールや通信制の学校などがある学生と異なり、成人の場合、相談先が少なく、進学のようなリセットのきっかけがない。ひきこもりの人を支え、社会に復帰する手助けをするには、周囲の人たちはどう接すればいいのだろうか。

 幸福の科学が運営する不登校児支援スクール「ネバー・マインド」のスタッフとして、これまで多くの不登校児を再登校へと導いてきた木全聖子さんは、近年急に30代から50代のひきこもりの相談が増えたと話す。そこで、1年前から「大人の引きこもり脱出のための集い」を立ち上げ、全国で講演や相談会を行っている。第1回目から集いに参加している20代の男性は、「以前よりもよくなっている気がします」と笑顔を見せた。彼はその後、アルバイトを始めたという。同集いは、保護者向けのプログラムもあり、それによって子供が社会復帰した例も複数ある。

 

お子さんの仏性を信じ、その仏性が輝いている姿をイメージしましょう。

 
不登校児支援スクール「ネバー・マインド」は学齢期の子供を対象とした機関だが、大川隆法総裁が説く仏法真理に基づくメソッドは、大人のひきこもりにも有効だという。
実際にその効果を見てきた木全聖子さんに、ひきこもりの人を支援するポイントを聞いた。

木全さん

 

ひきこもりになる社会的背景

 ひきこもりのお子さんをお持ちで相談に来られる親御さんは、「理由が分からない」ということで悩んでおられます。ひきこもりになる理由は、もちろん各人で違うのですが、社会的背景として共通して言えることがあります。

 高度経済成長期に10~30代だった親世代は、いい学校に入れたら、いい会社に就職できて、収入が右肩上がりに増えて、一生安泰でした。ところがその後、バブルが崩壊して、デフレが始まり、いい大学を出てもいい会社に就職できず、給料も上がらないという状況になったんです。

 それと同時に、戦後教育で宗教的バックボーンが失われた学校では、善悪の基準が失われ、モノサシが偏差値だけになってしまいます。結果、受験競争が激化し、不登校といじめが急増しました。そこにインターネットが入ってきて、いじめが陰湿化するわけです。

 つまり、親世代の生きてきた時代とのギャップがあるんです。ひきこもりは、このような現代社会の挫折感と劣等感、恐怖心の悲鳴なのだと思います……

 
続きは本誌でお読みいただけます

<木全さん> 仏性を見つけましょう/ほめて励まし続けましょう
<体験談> 受け入れてくれた仲間がいたから立ち直れた