web-201812-園田さん

「多くの人に支えられて今の自分がいる。 だから今度は、私がお返しをする番。」モデル・園田マイコ

モデルとしてファッションショーやファッション誌で活躍しながら、シングルマザーとして一男を育てるなか、2008年に乳がんと診断された園田マイコさん。
その翌年に発刊した、乳がんの発覚から手術、闘病生活の経験を綴った著書『モデル、40歳。乳がん1年生。』は、多くの女性たちの心を支えてきました。
手術後10年が経ち、この秋、すべての治療を終えた彼女に、当時の心境や現在の思いを語っていただきました。

がんの手術から10年経って

 2009年に乳がんの手術を受けて、来年で10年になります。先日、いったんすべての治療が終わって、本当はもう“卒業”なのですが、「1年に1回は検査をお願いします」って先生にお伝えしました。患者さんはみなさんおっしゃるんですが、今までずっと病院に通っていたのが、ある日、急に「もう来なくていい」となるのはすごく不安なんですよね。中には、10年以上経ってから転移が見つかったり再発する方もいますから。ですので、今後も1年に1回は通おうと思っています。

今年の夏に踏み切った子宮と卵巣の全摘手術

 ブログでもご報告させていただいたのですが、実はこの8月に、子宮と卵巣の全摘手術を受けました。4年前に区の子宮がん検診で「子宮頸部上皮内がん」が見つかって、そのときに円錐切除術という手術を受けたんです。これは「前がん」で、がんではないのですが、手術後、3カ月に1回の検査を受けながら経過観察をしてきて、ここしばらくハイリスクが続いていたんですね。前回の検査のときに、「今は何も悪さはしないけれど、このまま放置していたら数年後にはがんになる可能性が高い細胞がある」ということで、手術をすすめられたんです。全摘と聞いたときは、やっぱり落ち込みました。乳がんのときは全摘ではなく温存でしたが、やはり胸の一部を取ってしまったわけで、さらに卵巣と子宮を全摘するとなると、どこか“女性ではなくなってしまう”ような感じがして。
 でも、あとどのくらい生きるか分からないですが、歳をとってからがんになって手術をするというのは体力的にもたいへんですし、だったら今のうちに取っておいたほうがいいのかなと。それに、筋腫で子宮を全摘したお友達が何人かいるんですが、手術後、1カ月くらいで山登りに行っていた人もいて、みんなすごくアクティブで元気なんです。「開腹じゃなくて腹腔鏡だから全然大丈夫よ」と言われて、今回もお友達や家族に支えてもらって、手術に踏み切ったという感じです。
 入院は5泊6日でした。手術後、丸1日寝たきりでいると、筋肉が衰えて立つのも歩くのもたいへんになるんですけれど、翌日から「歩きなさい」という病院なので、がんばって歩きました。今回は、手術をする前に筋トレをして、しっかり食べて体力をつけていたので、術後の回復はかなり早かったですね。

39歳のときに見つかった乳がん

 いちばん最初にがんが見つかったのは2008年です。お風呂に入っていたときに、左胸の乳頭の下あたりに“硬いもの”を見つけたんです。私の母が乳がんの全摘手術をしていたので、もしかしたら……と恐ろしくなってしまい、すぐに病院に行きました。いろいろな検査をして、その日は「95%大丈夫」という診断だったのですが、1週間後に検査結果を聞きに行ったら、乳がんだという診断で、全摘をすすめられました。目の前が真っ暗、頭の中が真っ白になって、先生の説明も途中からほとんど入ってこなくなってしまって。お会計を済ませて、外のベンチに座った瞬間、号泣しました。あとからあとから涙があふれて、どのくらい泣いたか自分でもよく覚えていません。少し落ち着いたところで、病院に行くことを伝えていた元夫に電話をしたのですが、彼の声を聞いた瞬間にまた涙があふれ出して、言葉が出なくなってしまって。彼は、私が泣き止むのを黙って待っていてくれました。
 当時、中学2年生だった息子には、ちゃんと伝えようと思ったんです。家に帰って話そうとしたら、すでに元夫から聞いていたようで、「これからサポートしていくから大丈夫」って、そっと抱きしめてくれました。ちょうど反抗期で、うまくコミュニケーションがとれていない時期だったんですが、「息子の中にそんなやさしさがあったんだ」とすごくうれしくて、「この子のためにも死んだらいけない。がんばろう!」って、気持ちを切り替えることができたんです。

アユハ2018年12月号表紙 圧縮
続きは本誌へ
記事DATA

園田マイコ 

1969年、東京都出身。高校卒業後からモデルを始め、「LOEWE」「クロエ」「FENDI」など一流ブランドのファッションショーに多数出演。2008年、39歳のときに乳がんが見つかり、翌年、がんの発覚から手術、治療の経緯を綴ったエッセイ『モデル、40歳。乳がん1年生。』(KKベストセラーズ)を発刊。現在も女性ファッション誌、CM、広告、テレビなどで幅広く活躍しながら、ピンクリボン運動や講演活動などを行っている。環境セラピー・ジュニアセラピスト、ビューティーライフ・セラピストなどの資格を持つ。一男の母。