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日本人の美しい肌色【岡野宏のビューティーレッスン さあ、はじめましょうか!】第5回   

40年にわたりNHK美粧部に在籍し、国内外の女優や政治家などのメークアップに携わってきた岡野宏さんが考える「魅力ある人」とは? さあ、一緒に美しさへの一歩を踏み出しましょう。

印象を左右する美肌色

肌の美しさを決める要素のひとつが“肌色”です。ファンデーションの色を変えるだけで、簡単に美しい印象に近づけるのですが、色選びに迷う方も多いのではないでしょうか?

美しい肌色に注目が集まったのは、テレビが白黒からカラーに切り替わった1960年代後半のことでした。当時の日本では、欧米から輸入されたファンデーションが主流でしたが、欧米人特有の肌の赤みを抑える白々とした色の調合なので、血色がない日本人が使うと具合が悪そうに見えてしまいます。美しい肌に仕上げるために、チークや下地などを塗り重ね、手間がかかっていました。

世界美肌めぐり

そこで、NHK大河ドラマのカラー化に合わせ、日本人の肌が美しく見える新しいファンデーションを作ることになり、海外に視察に行くことになったのです。世界を旅していた作家の司馬遼太郎さんが、アドバイスをくださいました。

「ロシア、北欧、ヨーロッパ、インド、アジア、中国の肌色の違いを知るといいですよ。それから、美術館も行かれるといい。スペインのプラド、フランスのルーヴルやニューヨークのメトロポリタン……」
司馬さんの、「世界の中での日本人の肌の位置づけを知ることが大事」という考えは、東京オリンピックで世界のキャスターにメークをした経験から、私も同感でした。

美しい記憶の中の肌色

世界の肌色を見て回っているうちに、肌色を忠実に再現しても、美しい肌とは感じてもらえないということに気がつきました。その原因は「記憶色」でした……

イラスト: © K’s color atelier

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記事DATA

岡野宏 

岡野宏先生

1940年、東京生まれ。テレビ白黒時代よりNHKアート美粧部に在籍。40年以上にわたり、国内外の俳優だけでなく、田中角栄をはじめとする歴代総理、松下幸之助、本田宗一郎、盛田昭夫などの経営者や、川端康成、司馬遼太郎などの文化人まで、延べ11万人のメイクやイメージづくりを行う。“「顔」はその人を表す名刺であり、また顔とは頭からつま先までである”という考えのもとに行うイメージづくりには定評があり、吉永小百合の代表作となった「夢千代日記」のメイクや市川海老蔵のデビューイメージ指導も担当。NHK大河ドラマ、紅白歌合戦等のチーフディレクターを務め、2000年にNHK退所後は、キャスターや政治家、企業向けにイメージアップの研修や講演活動などを国内外で行っている。選挙ポスターを担当した議員は必ず当選すると言われ、「縁起がいい」と美濃部亮吉元東京都知事から記念撮影をねだられたこともある。著書に『一流の顔』(幻冬舎)、『渡る世間は顔しだい』(幻冬舎)、『トップ1%のプロフェッショナルが実践する「見た目」の流儀』(ダイヤモンド社)、『心をつかむ顔力 コンプレックスを強さに変える法則』(PHP研究所)等。