
<口内炎の主な原因>
□暴飲暴食
□睡眠不足
□生理前後
□ストレス
□口の中の雑菌が繁殖
□歯並びの悪さ
よく「口内炎ができるのは胃が弱っているから」と言いますが、その通りです。口の中は〝消化器官の続き〟なので、口内炎ができるということは、胃腸が悪いということの証明です。
東洋医学的には、〝口内炎ができやすい人は、胃腸に熱がこもっている〟と言われ、その主な原因は、暴飲暴食や冷たいものの摂りすぎにあります。便秘の人も口内炎になりやすいようです。
基本的に口内炎は、胃腸の調子を整えることが大事になってきます。食事ではビタミンBを含む食材を多く摂りましょう。また、睡眠不足や生理前後、ストレスによる免疫の低下も口内炎の原因に。免疫が落ちると、口の中の常在菌が繁殖して口内炎ができやすくなるので、口の中は常に清潔に保つよう心がけましょう。
大体の口内炎には、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を処方します。この漢方には、解毒・解熱・抗ウィルス作用があり、痛みや出血も止めてくれます。黄連解毒湯が効かないときは、腸に働きかける半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を。下痢の症状があるときにもおすすめです。慢性的な口内炎は、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)で長期的に治していきます。免疫が低下している人には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が効果的です。ただし、貧血がある人はほかの病気の可能性があるので、医療機関での検査をおすすめします。また、子供は口内炎ができると痛がって食べなくなるので、脱水にならないよう、親御さんは十分気をつけてあげましょう。
手を当てるだけ!胃腸を整えるツボ「巨闕(こけつ)」

巨闕(こけつ)
みぞおちの真ん中、一番へこんでいるところにあるツボで、胸やけや吐き気、胃の不快感に効きます。
巨闕は通常のツボ押しと違って、押さずに優しく手を当てるだけで大丈夫。押すと逆効果になることも。蒸しタオルを乗せるだけでも効果があります。
おすすめ・NG食材
OK
「天然の胃腸薬」と言われるキャベツや、殺菌作用のあるシソの葉などがおすすめです。
NG
辛すぎるもの、熱すぎるもの、油っぽいものは胃腸に負担がかかるので避けたほうが◎。
Column ティートリーでうがいを
ティートリーには強力な殺菌・消毒作用があり、口の中の雑菌を抑えて炎症を鎮めてくれる効果があります。口内炎ができたときは、ティートリーの精油をコップ一杯の水に入れてうがいをしてみましょう。
おすすめ漢方薬
胃から上の消化器官に効く 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
腸の状態を整える 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
慢性的な口内炎に 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
免疫を上げる 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
(「Are You Happy?」2022年10月号)

小林城治
精神科・心療内科医
医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。
高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。
書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。












