心身を癒やす「植物の力」で花粉症のセルフケアを

植物療法士として、花粉症やアレルギー体質の方の悩みに答えてきた川内美登子さんに、花粉症に効くハーブを教えていただきました。

私はもともと臨床心理士として病院で患者さんの心のケアをしていたのですが、仕事でイギリスに行った際、「植物療法」に出合いました。あちらの病院には、ハーバリストといわれる職業の方がいて、薬を飲んでも不調が改善しない患者さんや、心労するご家族に、治療の一環としてハーブティーを提供していたんです。

初めは、本当に効くのかなと疑問でしたが、医療用の薬も、歴史をたどれば、植物の成分を取り出したもの。実際にハーブを勧められた患者さんたちの経過は大変良好で、私自身も、ハーブティーを飲み始めてから、何をしても治らなかった片頭痛や月経痛、むくみがいつのまにかなくなっていました。こうして植物の力に衝撃を受け、植物療法士になったのです。

花粉症に限らず、アレルギー体質の方は、冬の間に体に溜め込んだ毒素によって症状を起こしていることが多く、それは植物の力でデトックスしていくことができます。また、花粉症の方には、アレルギーに効くハーブに加えて、免疫力を上げるハーブや、粘膜を強くするビタミンCが豊富なハーブもおすすめです。

ハーブは薬と違い、すぐ効果が出るものではありませんが、飲み続けることで、確実に体質は改善していきます。秋から春にかけてハーブティーを飲み、それを2、3年続けたら花粉症が改善したという方もいますし、なかには、10年間治らなかったアトピーと喘息が1年ほどで改善した方もいました。

ただ、それだけでは良くならない方ももちろんいます。そういった方に花粉症を発症した年の出来事を聞いてみると、受験の失敗や失恋など、何か強いショックを経験していることが多いんです。その場合には、心を落ち着けるハーブをブレンドして飲んでいただいたりしながら、怒りや悲しみを手放せるようにカウンセリングしていくと、不思議と症状も良くなっていきます。体と心を癒やす植物の力をぜひ取り入れてみてください。

花粉症におすすめの5つのハーブ

【 ルイボス 】
原産地であるアフリカでは、「不老長寿のお茶」として有名。アレルギー症状を緩和する作用があるほか、ミネラルやビタミンも豊富で、体内の毒素をデトックスする効果がある。

【 ネトル 】
花粉症や、ニキビ、じんましんの予防に用いられるハーブ。花粉が飛び始める1カ月前から飲むのがベター。鉄分が豊富で、血液サラサラ効果も。ほうれん草のゆで汁に似た味。

【 エキナセア 】
アメリカ先住民の伝統的な医療ハーブで、免疫力を上げる効果が高く、抗アレルギー作用があるとされる。現在は、「エイズの特効薬」として研究されている。

【 エルダーフラワー 】
古くから「万能の薬箱」と言われたハーブで、インフルエンザの特効薬として使われてきた。
ビタミンCを多く含み、のどのイガイガ、むずむず感の広がりを抑える効果がある。

【 ローズヒップ 】
レモンの10~20倍のビタミンCを含み、「ビタミンC の爆弾」と言われるハーブ。ローズヒップのビタミンC は熱に強く、酸化しにくい性質を持ち、傷ついた粘膜を修復してくれる。

(「Are You Happy?」2022年4月号)

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